先頃、Amazonで気になる本がピックアップされていることに気づきました。
それが、今回紹介する「ハーモニーという世界 〜アニメが名画になる瞬間〜」です。
アニメーションがコンピューターグラフィックスによって制作されることが一般的になった現在では、懐かしい技術となってしまった出崎統作品の「止め絵」が特集されています。
あしたのジョー2が頂点、ハーモニー手法
ハーモニーという世界~アニメが名画になる瞬間~ image by Amazon
1970年〜80年台、出崎統のアニメ作品に親しんできました。
出崎さんは、今ではもう見られなくなった「止め絵」という手法を確立された方です。
2011年に亡くなられています。
その手法は、アニメーションの中に静止画を挟んでインパクトを与えるというもので、出崎作品の多くで当たり前の様に見かけられたものです。
その「止め絵」を特集したのが「ハーモニーという世界 〜アニメが名画になる瞬間〜」という本です。
この本で「止め絵」が「ハーモニー」といわれることをはじめて知りました。
収録作品は以下
- あしたのジョー2
- ガンバの冒険
- 宝島
- 宝島メモリアル
- エースをねらえ!劇場版
- ベルサイユのばら
- 家なき子
メインは「あしたのジョー2」から「宝島メモリアル」までで「エースをねらえ!劇場版」以降は数点ずつしか掲載されていません。そこが残念です。
「あしたのジョー2」は大ファンで、毎週欠かさずみていました。「エースをねらえ!」や「ベルサイユのばら」も大好きでした。
「さきまくら」という名義で「宝島」のエンディングにクレジットされていたのも出崎統さんです。海賊のカッコイイ絵がエンディングに入るとドキドキしたものです。
この作品集で、それらの「ハーモニー(止め絵)」はアニメーションの中にあって、かなりの画力を必要としたことが、よく分かります。
「ハーモニー」は十分にアートと言える領域の作品だったのです。
ハーモニーは青春の感動を呼び起こすアート作品
アニメーションで「ハーモニー」が見られなくなって久しいですが、これらを写真集(アート作品集)として見たときにどういう見え方をするのかが、この本で確かめられます。
「力石徹の死」「カーロスとの死闘・友情」「ホセが残した肩への烙印」そして「真っ白に燃え尽きたジョー」そんな名場面がハイクオリティーの写真ページとして見事に再現されています。
私にとって、それらは1枚の写真というだけでなく、青春の思い出の1シーンでした。
この本のページを開くことによって「あしたのジョー2」の各シーンで心に刻まれた「瞬間」が見事に蘇ってきたのです。
近年、本を買ってこれほどの感動を味わった覚えはありません。
青春の時期をこれらの作品と共に過ごした世代に絶対おすすめしたい作品集です。
是非、手に取ってみてください。
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ハーモニーという世界~アニメが名画になる瞬間~
私はとても感動しました。
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