Photo by Anthony Berkeley
バルセロナ・カタロニアサーキットで行われているプレシーズンテストも既に2回目となりました。
1回目テストの後半でハイドロリックリークのトラブルが出たマクラーレン・ホンダの信頼性が心配でしたが、フィルミングデーを使い、きっちりと仕上がってきたようです。
プレシーズンテストの2回目も半分終了し、ポジティブなニュースが多数聞かれるようになりました。
昨年マクラーレン・ホンダが抱えたデプロイメントの問題はついに解決されたようです。
HONDA RA616Hにはデプロイメント問題は無い
昨年のマクラーレン・ホンダのマシンMP4-30の弱点は、エネルギー回生システムの非効率性によって、直線で約160馬力ものビハインドを背負っていたことでした。
デプロイメントの弱点は2016年どうなるのか?
改善されたとしても信頼性は確保されるのか?
という2つのポイントがテスト前から心配されていました。
しかし、その心配も杞憂に終わったようです。
コンプレッサーとタービンが改良された「RA616H」は信頼性を確保した形で確かな前進を見せています。
2回目のプレシーズンテストから、ジェンソン・バトンやエリック・ブーリエらからポジティブな報告がなされています。
参照 ジェンソン・バトン、ホンダを称賛 「デプロイメント部分の進化はすごい」(F1-Gate.com)
参照 マクラーレン 「ホンダのデプロイメント問題は解決した」(F1-Gate.com)
参照 改良型エンジンに手応えを感じるバトン(ESPN F1)
参照 「明らかなゲイン」を喜ぶブーリエ(ESPN F1)
トップチームとのギャップは埋まったのか?
問題はトップチームとのギャップは埋まったかどうかです。
しかし、この疑問に答えることは難しいでしょう。
メルセデスとフェラーリが飛び抜けていることは確実ですが、タイヤも異なるセッションのラップタイムでは判断できません。
参考までに、バルセロナテストの1日目、2日目のベスト6の結果をまとめておきます。
1日目(2016.3.1)
順位 | ドライバー | マシン | 周回数 | ベストタイム | タイヤ |
---|---|---|---|---|---|
1 | バルテリ・ボッタス | ウィリアムズ FW38 | 107 | 1:23.261 | スーパーソフト |
2 | ルイス・ハミルトン | メルセデス W07 | 73 | 1:23.662 | ソフト |
3 | ケビン・マグヌッセン | ルノー R.S.16 | 126 | 1:23.933 | スーパーソフト |
4 | セバスチャン・ベッテル | フェラーリ SF16-H | 151 | 1:24.611 | ミディアム |
5 | ジェンソン・バトン | マクラーレン・ホンダ MP4-31 | 121 | 1:25.183 | ソフト |
6 | ダニエル・リカルド | レッドブル RB12 | 135 | 1:25.235 | 不明 |
2日目(2016.3.2)
順位 | ドライバー | マシン | 周回数 | ベストタイム | タイヤ |
---|---|---|---|---|---|
1 | ニコ・ロズベルグ | メルセデス W07 | 82 | 1:23.022 | ソフト |
2 | バルテリ・ボッタス | ウィリアムズ FW38 | 123 | 1:23.229 | ウルトラソフト |
3 | フェルナンド・アロンソ | マクラーレン・ホンダ MP4-31 | 92 | 1:24.735 | ソフト |
4 | キミ・ライコネン | フェラーリ SF16-H | 71 | 1:24.836 | ミディアム |
5 | ダニール・クビアト | レッドブル RB12 | 69 | 1:25.049 | 不明 |
6 | ルイス・ハミルトン | メルセデス W07 | 89 | 1:25.051 | ミディアム |
まとめ
まだ本気のタイムアタックはされていないようですが、メルセデスとマクラーレン・ホンダのギャップは1秒以上あるのかもしれません。
それにフェラーリが常に硬いタイヤを履いていることを考えるとメルセデスとフェラーリはやはり飛び抜けていそうです。
上位チームとのギャップはかなりあると考えておいた方が良いでしょう。
しかし、これならばマクラーレン・ホンダにも長いシーズンを戦えそうな気配があります。
なるべく早く表彰台まで到達することを祈っています。
プレシーズンテストのスピード(追記)
プレシーズンテストのまとめがF1-Gate.comでアップされていました。
順位 ドライバー コンストラクターズ ベストタイム タイヤ 1 キミ・ライコネン フェラーリ 1:22.756 Ultrasoft 2 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 1:22.810 Ultrasoft 3 ニコ・ロズベルグ メルセデス 1:23.022 Soft 4 ニコ・ヒュルケンベルグ フォース・インディア 1:23.110 Supersoft 5 カルロス・サインツ トロ・ロッソ 1:23.134 Ultrasoft 6 フェリペ・マッサ ウィリアムズ 1:23.193 Soft 7 バルテリ・ボッタス ウィリアムズ 1:23.229 Supersoft 8 マックス・フェルスタッペン トロ・ロッソ 1:23.382 Ultrasoft 9 ダニエル・リカルド レッドブル 1:23.525 Ultrasoft 10 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:23.622 Soft 11 セルジオ・ペレス フォース・インディア 1:23.650 Supersoft 12 ケビン・マグヌッセン ルノー 1:23.933 Supersoft 13 ダニール・クビアト レッドブル 1:24.293 Ultrasoft 14 ジェンソン・バトン マクラーレン・ホンダ 1:24.714 Ultrasoft 15 フェルナンド・アロンソ マクラーレン・ホンダ 1:24.735 Soft 16 フェリペ・ナッセ ザウバー 1:24.760 Soft 17 アルフォンソ・セリス フォース・インディア 1:24.840 Supersoft 18 ジョリオン・パーマー ルノー 1:24.859 Supersoft 19 パスカル・ウェーレイン マノー 1:24.913 Ultrasoft 20 マーカス・エリクソン ザウバー 1:25.031 Soft 21 ロマン・グロージャン ハース 1:25.255 Soft 22 エステバン・グティエレス ハース 1:25.422 Supersoft 23 リオ・ハリアント マノー 1:25.899 Ultrasoft 出典 2016年 F1プレシーズンテスト:総合タイム&周回数(F1-Gate.com)
タイヤが異なっていますが、これを見るとだいたいのスピードを予測することが出来ます。
バトンとアロンソは14位、15位となっています。
現時点でマクラーレン・ホンダは中堅チームと戦えるスピードは持っていると思われます(中の下といったところ)。
これが、現在の順当な見方ではないでしょうか?
ただし、マクラーレン・ホンダはフルスペックのシャシーをテスト出来ておらず、開幕戦にはさらにスピードアップを期待できます。
希望としてはウイリアムズあたりと肩を並べるところまで行って欲しいと思っています。
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