日本語曲名のピックアップ第3段なのですが、曲名はどれもあまりひねったものがないようです。
しかし、アルバム「”Heroes”」と「Lodger」は日本語タイトルが面白いです。
前回の記事は以下を参照してください。
Station To Station/ステイション・トゥ・ステイション
Wild Is The Wind/野生の息吹
この曲は1957年の映画「Wild Is The Wind」のジョニー・マティスが歌った主題歌をデヴィッド・ボウイがカバーしたものです。
日本語タイトルは映画から来ていますので、特に言うことはありません。
ジョニー・マティスの原曲を聴くと、初期の007(James Bond)挿入歌のようにも聞こえてきます。
Low/ロウ
Always Crashing In The Same Car/いつも同じ車で
これはタイトルから「いつも同じ車でクラッシュする」ということがすぐ分かってしまうのですが、日本語タイトルからは「クラッシュする」が消えています。
曲からも不吉な感じが漂ってきますので、タイトルからは不吉なタイトルを消してしまったようです。
不吉といってもとても味のある雰囲気の曲で、このアルバムの中では指折りの曲です。
“Heroes”/英雄夢語り
アルバムの日本語タイトルには驚いてしまいました。
「夢語り」とは!
分かるようで分からないタイトルです。
今となっては大げさなタイトルになっていると感じます。
Sons Of The Silent Age/沈黙の時代の子供たち
この日本語タイトルを読む度に私が思い出していたのは、2編の有名なSF小説です。
それは…
- 砂丘の子供たち/Children of Dune:フランク・ハーバート
- レンズの子供たち(レンズの子ら)/Children of the Lens:E・E・スミス
です。
どちらも私の大好きな小説です。
これらは同じ「子供たち」でも「Children」が使ってあります。
ボウイの曲には「Sons」が使われているので、「子孫」「息子」「若者」といった思いが込められているのでしょうね。
The Secret Life Of Arabia/アラビアの神秘
この日本語タイトルからは「Life」という意味が消えてしまっています。
「生活」を入れてタイトルを考えるとおかしなタイトルになってしまいますので、しようがなかったのでしょう。
…タイトルは難しいですね。
Lodger/間借人
常に変化を求め、安住をよしとしないボウイにはピッタリはまるアルバムの日本語タイトルが付いています。
ただ「間借人」という語感は少しかっこわるい気もしますので、やっぱり「Lodger」がいいですね。
Look Back In Anger/怒りをこめてふり返れ
イギリスの戯曲、ジョン・オズボーンの「怒りをこめてふり返れ」を知っている方なら、相似性を感じるのではないでしょうか?
もしかしたら、ボウイの曲はジョン・オズボーンの戯曲から発想したのかもしれませんね。
……
このシリーズページは今回が最後になります。
ボウイの曲はサウンドだけでなくタイトルを見ても面白いことが発見でした。
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