私が高校生だったころ、海外SFの傑作として必ずあがっていたのがフランク・ハーバートの「デューン/砂の惑星」です。
ハヤカワ文庫では表紙イラストを石ノ森章太郎が描いていました。
SF好きの私がこの作品を読み始めたのは大学生になってからのことです。
デヴィッド・リンチ監督の映画「デューン/砂の惑星」が公開されて、ハヤカワ文庫の表紙は映画の1シーンを採用したものになっていました。
このページを書き始めて新訳版が出ていることを知りました。
2016年1月に発売されたばかりです。
スティングが敵役で登場した映画「デューン」
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最近、スティングのページを起こしたので、突然思い出したのがこのデヴィッド・リンチ監督の映画のことです。
ポウル・アトレイデの敵役・ハルコンネン男爵の甥「ファイド・ラウサ」を演じていたのがスティングだったからです。
数年前にも映画「デューン」を思いだし見てみたのですが、スティングの演じたファイド・ラウサがあっけなくポールにやられてしまいました。
この映画は今のSF映画に比べれば難解で、腰を据えて見るべき映画です。
しかも小説で物語られた広大な世界を詰め込みすぎて、さらによく分からない映画になっています。
今の若者にはうけないかもしれませんが、昔はSF映画にも娯楽以外に大作といわれる作品があったのでした。
この映画「デューン」は、まさしくそういった作品だったのです。
フランク・ハーバートが創造した世界:砂の惑星「アラキス」
デューン 砂の惑星〔新訳版〕 (上) (ハヤカワ文庫SF) image by Amazon
私がフランク・ハーバートの小説に触れたのは映画公開と同時でした。
映画の話題から読み始めたのですが、その世界観に魅了され、止まらなくなる作品でした。
私が読んだ小説は巻末に用語辞典がついていて、本編で使われている小説世界の用語が解説されています。
つまり、小説で構築されたものは舞台となる惑星アラキスの宗教・文化・生態系といった「世界」そのものだったのです。
……
この偉大な作品は後の様々なSF作品に影響を与えています。
私が思いつくのは以下のような作品です。
スター・ウォーズ
辺境惑星タトゥイーンはこの砂の惑星がなければ描かれなかったでしょう。
グイン・サーガ
グイン・サーガはノスフェラスの砂漠以外にもパロの双生児の設定等、かなりの部分で類似点があるように思います。
風の谷のナウシカ
腐海や王蟲のイメージはアラキスの砂虫(シャイ・フルド)がなければ描かれなかったのではないでしょうか。
……
以上のように有名な作品群はフランク・ハーバートが構築したデューンの世界に少なからず影響を受けているはずです。
デューン・シリーズ
フランク・ハーバートは1986年に亡くなるまでに6つのデューン・シリーズを発表しました。
それが以下の作品です。
- デューン/砂の惑星(全4巻)
- デューン/砂漠の救世主(全1巻)
- デューン/砂丘の子供たち(全3巻)
- デューン/砂漠の神皇帝(全3巻)
- デューン/砂漠の異端者(全3巻)
- デューン/砂丘の大聖堂(全3巻)
「砂の惑星」から「砂漠の救世主」はポウル・アトレイデを主人公として描かれ、このデューン・シリーズの面白さは第二部「砂漠の救世主」で最高潮に達します。
そのままの勢いで「砂丘の子供たち」も読めたのですが…
……
私は実は「砂漠の異端者」以降を読んでいません。
ひょっとすると「砂漠の神皇帝」の第3巻で中断してしまったかもしれません。
…というのもこの作品を読んでいる最中に就職や引っ越しを経験して、読めなくなってしまったのです。
そのため、いつも再読したいと思っていたのでした。
この小説を手元に置かなかったために読みたいと思ってもかなわず、最近やっと全作品を古本で揃えて読み始めています。
今読もうとすると、作品用語が多すぎて読みにくい感じは否めません。
最初に読んだ際には、これらの用語も苦もなく頭に入ったのですが、年齢のせいでしょうか?
……
新訳版が発売されているところをみると作品の再評価が始まっているのかもしれません。
これを期に未読の方は一度手にとってみてはいかがでしょうか?
今では伝説とも言える惑星アラキスの世界がそこに広がっているのです。
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コメント
確か、「砂の惑星」1巻で挫折した記憶が。。
まだ若かった(笑)のですが頭に入ってきませんでした。
読み直してみたいのはやまやまなのですが・・。
海外SFでは、一連のクラークの作品や「ハイペリオン」(ダン・シモンズ)が好きでした。
たこべいさん、ありがとうございます。
私も再読してみると用語が覚えられなくなっていて、楽しさが半減してます。
私は、ハイペリオンも挫折しました。