久しぶりに平井和正の短編を読みました。
それが「世界の滅びる夜」です。
この作品は角川文庫版「虎は暗闇より」で読んだのが最初です。
もう30年も前のことです。
まったく記憶にもありませんでした。
この「世界の滅びる夜」が集英社の全集「冒険の森へ」第5巻に掲載されています。
「冒険の森へ」傑作小説大全 第5巻「極限の彼方」
極限の彼方 (冒険の森へ 傑作小説大全5) image by Amazon
平井和正の作品は「冒険の森へ」第4巻「超常能力者」に続いて、第5巻「極限の彼方」にも掲載されていました。
アマゾンで「平井和正」を検索していて目に止まりました。
いままでこの全集に平井作品が収録されたのは4巻の「エスパーお蘭」だけかと思っていました。
この本の目次を確認すると平井和正「世界の滅びる夜」と記載されています。
このタイトルの作品には全く覚えがありません。
そんなわけでこの全集を購入することにしました。
世界の滅びる夜(平井和正)
「冒険の森へ」が到着してすぐに「世界の滅びる夜」を読みました。
読了後もこの作品がいつ発表されたのか分かりません。
ネットで検索すると短編集「虎は暗闇より」に掲載されていたことが、やっと分かりました。
……
「世界の滅びる夜」は星新一ばりのショートショートです。
最終戦争で世界が死滅する直前の平穏な家族描写が絶妙のリアリティーで描かれています。
お茶を入れるシーンが心に響きます。
なんのアクションもありません。
平井和正の短編集を読んだことのない読者が「幻魔大戦」や「ウルフガイ」と同じ作者が書いたと想像するのは難しいでしょう。
ただ、これこそ平井作品の神髄のような気もしています。
「世界の滅びる夜」の初出時のタイトルは「アーマゲドン」でした。
この作品を全集に掲載した編者の目をたたえたいと思います。
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