書籍の電子化・自炊のはじめ方
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辻村寿三郎作品集「新八犬伝」は写真集だった。

アーティスト

過去記事でも紹介した辻村寿三郎作品集「新八犬伝」が到着しました。

辻村寿三郎(ジュサブロー)作品集復刊!「真田十勇士」「新八犬伝」
以前から「八犬伝」という作品に強い思い入れを持っています。 その原点は子供のころのNHK人形劇「新八犬伝」にあります。 坂本九の語りにも強い印象を受けましたが、最も印象深いのは、やはり辻村寿三郎(当時ジュサブロー)の人形でした。 人形であり...

思ったのと少し違ってましたが…

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辻村寿三郎作品集「新八犬伝」

辻村寿三郎作品集「新八犬伝」
辻村寿三郎作品集「新八犬伝」 image by Amazon

私はこの書影を見て、ソフトカバーの資料集かストーリーブックのようなものを想像していました。

ところが、この作品集はハードカバーの写真集でした。

カラー写真は16ページで84ページがモノクロ写真です。

余白ページも含めて10ページが石山透、河原崎国太郎、南博、辻村寿三郎の寄稿になっています。

驚いたのは写真のほとんどが「頭」、首から上の部分だけなのです。

巻末の辻村寿三郎の寄稿を読むと「頭」の部分への強い思い入れがよく分かります。

……

「頭」の写真はモノクロ写真となって強い存在感を放っていました。

それぞれのキャラクター毎に人形の素材が違っているのがはっきりと分かります。
布の編み方がまるで違うのです。

それに人形で、ここまでキャラクターをつくり分けるのは驚きとしか言いようがありません。

それぞれの写真にキャラクターの名称が書いてあります。
思い出すことが出来る主役のものや、端役らしいものまで、多数の人形の「頭」は全て個性豊かでした。

これらの写真はモノクロで正解なのだと思います。

カラー写真では人形がリアルすぎて怖くなったかもしれません。

……

惜しいと思ったのは人形たちの衣装にもっと着目して欲しかったことです。

それらがカラー写真となっていればもっときらびやかだったでしょう。

しかし、あえて人形全体ではなく「頭」の写真集となっていることが辻村寿三郎という人の強いこだわりを表現するために必要だったのかもしれません。

辻村寿三郎作品集「新八犬伝」は、ただの写真集では感じることの出来ない迫力を写しとった作品集になっています。

とにかくスゴイ作品です。

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