Photo by Eco Dalla Luna
ビョークの2000年代に発表された3つのアルバムほど、評価の分かれるアルバムはないのではと思っています。
サード・アルバム「ホモジェニック」でビョークにのめり込んでいった私ですが、2000年代の3枚のアルバムについてはなんと言ったらいいのか分かりません。
「ヴェスパタイン(Vespertine)」は「ホモジェニック」を美しく変身させたようなアルバムだったのですが、次々に発表されたアルバムによって理解不能になってしまいました。
ヴェスパタイン(Vespertine):2001年
「ヴェスパタイン」はビョークのアルバムの中でも最も完成度が高いものだと思います。
エレクトロニカに進んだ今作のサウンドの美しさはデビューから始まったポップな流れをうけた一つの到達点を示しているばかりでなく、新しい領域へ踏み込んだような作品になっています。
レディオヘッドのキッドAを聴いた時のような衝撃を感じるアルバムです。
メダラ(Medulla):2004年
ヒューマン・ビート・ボックスで作り上げたアルバム。
ビョークの表現力の多彩さには驚きました。
究極のエレクトロニカから、人によるサウンドへ変化するという荒技を示してくれました。
しかし、全体的には単調で退屈な感じのするアルバムです。
ヴォルタ(Volta):2007年
「ヴォルタ」は民族音楽のような変則的なアルバムです。
さらに、様々なアーティストとのコラボレートの産物です。
別のアーティストの声など夾雑物のようにしか聴こえません。
メダラとヴォルタを聴いた私は、もうビョークは聴かないと本気で思いました。
これらの2作はまるで真剣みが感じられません。
遊びでつくってしまった感覚的なものに思えます。
このアルバム以降、ずいぶん長い間ビョークを聴かなくなってしまいました。
……
「ヴェスパタイン」の美しさは認めるものの、2000年代のアルバムは一貫性がなく、あまり好きになれません。
「ホモジェニック」という傑作を生み出した後の低迷期のような気がします。
しかし、このままビョークから離れてしまわない所がビョーク・フリークなのかもしれません。
この後のアルバムも聴き続けることになってしまうのでした。
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コメント
好みというのは人それぞれですね。
ビョークの聴き初めは、「ホモジェニック」と同じなのですが、一番好きなのが
「ヴォルタ」。2008年(or 2007? 失念)の来日公演の印象も強く残っています。
21世紀に入って観たライブの中でも筆頭に選ぶ一つでした。
芸術性が強いアルバムに移行していくのですが、POP・ROCK色が強く判り易いのがいいです。
アントニーを初め、色々なゲストミュージシャンが増えていきますが、あまりその個性は活かされていないように感じています。どこまでいってもビョーク様。アントニーについては、「ヴォルタ」で聴いていたのですがあまり印象に残らず、ルー・リード「ベルリン再現ライブ」で再発見。今は一番好きなアーティストの一人です。現:アノーニ。
たこべいさん、ありがとうございます。
たこべいさん「ヴォルタ」ですか。…
私はこれが苦手です。
なんででしょう?
話は変わりますが、デヴィッド・ボウイの「Cracked Actor」が楽しみです。
はやく6月16日にならないでしょうか?
「Cracked Actor」楽しみですね。
調べてないのですが、「David Live」と同じ時期のものなんでしたっけ。
「Cracked Actor」が1974.10
「David Live」が1974.7
でした。
セットリストも似た感じですね。