1月の怒濤のようなデヴィッド・ボウイ関連書籍の発売から間を置いて登場したのが「ヒーローズ── ベルリン時代のデヴィッド・ボウイ」です。
もうタイトルを見るだけでも読んでみたくなる本ですね。
実際に買ってみると表紙がカッコいいのです。
デスクの上に無造作に置くだけでも、さまになっています。
タイトルロゴタイプのシンプルさもいいのですが、やっぱりドイツ人のようなデヴィッド・ボウイの写真がイカしてます。
ソフトカバーの本なのに、かなりの存在感があります。
読まなくて持っているだけでもいい感じなのです。
ヒーローズ── ベルリン時代のデヴィッド・ボウイ
ヒーローズ──ベルリン時代のデヴィッド・ボウイ (ele-king books) image by Amazon
この本の帯の背には「ベルリン三部作の裏側」と書かれています。
しかし、帯の表側に書いてある「名曲「‘ヒーローズ’」が生まれた背景を詳述する快著。」の方が近いです。
というのも「ロジャー」のことはあまり書かれていません。
アルバム「ロウ」「ヒーローズ」の生まれた背景に重点が置いてあります。
この2つのアルバムはデヴィッド・ボウイのキャリアのなかでも最も面白いアルバムです。
ブライアン・イーノとの関わりやアンビエント曲がどのように生まれたか等、興味が尽きません。
アルバム・ジャケットの写真もボウイを代表するものです。
これらのアルバムが(コカイン中毒の)リハビリの隠遁生活中に生まれたことがとても面白いところです。
当時、ボウイが興味を持った書籍・映画・芸術やボウイに影響を与えたアーティスト等にも触れることで、より厚みのある内容になっています。
この本には「地球に落ちて来た男」の出演から「ザ・ネクストデイ」までのエピソードが充実しています。
……
私はアルバム「ヒーローズ」のジャケット写真にエーリッヒ・ヘッケルの影響があるというくだりが、とても面白かったです。
また、ベルリン時代が「Where Are We Now?」に結びついていくことも興味深い。
他にも ノイ!、ココ・シュワブ、エデュアルト・マイヤー、ロミー・ハーグ 等々、ボウイを取り巻く様々な人々のエピソードが……
……
この本にはデヴィッド・ボウイの周囲にいた、たくさんのアーティストや文化人の名前が登場します。
全てに注釈がついていて、各章の末尾に解説があります。
この解説を読まないと時代背景や人間関係がつかみづらいので、読みにくい感じもありました。
しかし、「ベルリン時代」というボウイの中でも特別な時期を知る上では、この上ない書籍と言えるでしょう。
私にとっては永久保存版になりました。
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ヒーローズ──ベルリン時代のデヴィッド・ボウイ (ele-king books)
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