永井豪の「凄ノ王」は永井豪によって描かれた未完の作品です。
少年週刊マガジンで連載されていて(1979年〜1980年)、最後はいったいどのような終了だったのか、今ではもう思い出せません。
「凄ノ王」はその後、「凄ノ王伝説」として、複数の雑誌に掲載されていました。
角川書店の「野生時代」掲載のものは読んだ覚えがあります。
当時、私は生活環境の変化から(高校から大学の時期)、「凄ノ王伝説」がどのようなものだったか雑誌で読むことはありませんでした。
後に「凄ノ王」は少年マガジン連載部分と、その後他誌で連載された部分を結合・再編する形で完結を見ることになります。
しかし、永井豪は「凄ノ王」を未完の作品にすることを企図していたといわれています。
凄ノ王 超完全完結版
長年の永井豪ファンでありながら、私は「凄ノ王伝説」を読んだことがありません。
読みたいと思っていたものの、そのうちに書店から消えてしまいました。
そして発表されたのが、この「凄ノ王 超完全完結版」です。
講談社漫画文庫からも同じ内容のものが発売されています。
通して読んでみると確かに完結していました。
しかし、朱紗真悟が悪神「凄ノ王」となってしまってからは、何が起こっているのかはっきりとしません。
八岐大蛇もスケールダウンしてしまった印象があります。
突然出てきた「朱紗の一族」という設定には違和感しかありません。
それに宇宙に出てしまった「凄ノ王」と「美剣一族」の戦いは、とにかく迫力ですけれども、ストーリー性はありません。
地球の朱紗真悟が「英雄王真神(スサノオウノミコト)」に成長する過程と並行して語られるので、さらに分かりにくくなっています。
ボクシングで朱紗真悟と戦った合田も怪物化して出てきます。
ほんの少しだけ。…ストーリーに必要かどうかを疑います。
最後は「英雄王真神」に覚醒した朱紗真悟と雪代・瓜生らの出会いで締めくくられています。
これでよかったのかな?
未完となった「凄ノ王伝説」の方が面白いのでは?
「凄ノ王伝説」再販を切に希望します。
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オススメ
凄ノ王 (1) (講談社漫画文庫)
文庫も全6巻です。
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