書籍の電子化・自炊のはじめ方
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父の書斎で、平井和正の「サイボーグ・ブルース」を見つけてしまったら…(ぼくは平井和正作品と出会った_①)

平井和正の世界

今日、ぼくは出張中の父の書斎を掃除した。お母さんに押しつけられた手伝いだったが、事前に父に許可されていた仕事でもあり、たまには親孝行もいいと思い行動に移した。
ぼくはこの春から中学になる。小学生最後の春休みは割と暇だったのだ。

つっこみどころ満載ですが、そんなシチュエーションで少年は父親のデスクに無造作に置いてあった、角川文庫の「サイボーグ・ブルース」を手に取ってしまいました。

サイボーグ・ブルース (角川文庫)

そして…

私は依然としてまがまがしいブラック・モンスターであり、悪霊でしかないのだ。

の最後の一文まで一気に読み切りました。同時にアーネスト・ライトやオルガの運命を思い、ため息をついて感慨にふけったのでした。
この少年は数時間の内に平井和正に魅了されしてまった。Hiraistのひとりになってしまったのです。
彼の次に取る行動は…

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父の書棚で平井作品を探す

少年は父の書棚で平井和正の本を探しました。
しかし少年の父親は平井和正の本を「サイボーグ・ブルース」しか持っていなかったのです。
書棚には以下の様な作品が並んでいました。

  • ファウンデーション(アイザック・アシモフ)
  • 銀河パトロール隊(E.E.スミス)
  • ウは宇宙船のウ(レイ・ブラッドベリ)
  • 流れよわが涙、と警官は言った(フィリップ・K・ディック)
  • ロング・グッドバイ(レイモンド・チャンドラー)
  • 野獣死すべし(大藪春彦)

…etc.

少年にとって最悪の事態というやつです。
少年の父親はSFとハードボイルド小説の愛好家だったのです。
平井和正の「サイボーグ・ブルース」は当時、日本作家の書いた本格SFハードボイルド小説として名声を得ていました。
そのため、海外SFやハードボイルド愛好家が読むケースも多かったのでした。

ではこの少年はどうしたらいいのでしょうか?
できれば、このブログに巡り会えることを祈って続きを書いてみます。

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ウルフガイ・ドットコムで掘り出し物を手に入れる

ウルフガイ・ドットコムには「特別企画 掘り出し物」コーナーがあります。
ここで「サイボーグ・ブルース」の原型「サイボーグ捜査官」を手に入れることができます。「サイボーグ・ブルース」の導入部と同じストーリーですが、主人公は「野田俊太郎」で日本版「サイボーグ・ブルース」のイントロダクションといったところです。20ページの短編です。

sousakan

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サイボーグ・ブルースと同系統の平井和正作品を古本ショップやアマゾンで探す

平井和正の作品群においてサイボーグ・ブルースは初期作品に分類されます。この作品に近い作品を探すとすると以下のような作品ではないでしょうか?

  • アンドロイドお雪:ミステリ的な要素を盛り込んだ作品で、最後のどんでん返しまでノンストップで読み進められること請け合いです。フィリップ・k・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」の世界観に近いと思います。
  • 悪徳学園:この短編集で最も有名なのは表題の「悪徳学園」(犬神明が登場)ですが、「サイボーグ・ブルース」に近いのは「エスパーお蘭」です。また、この短編集で私が一番好きなのは「転生」です。ぜひ読んでみて下さい。
  • 悪夢のかたち:デビュー作「レオノーラ」が掲載されています。この短編集は全体的に「サイボーグ・ブルース」に近い世界観を持っていますので、おすすめです。
  • 虎は暗闇より:この短編集には「サイボーグお鷹」があります。全体の印象はウルフガイへ移行する「虎の時代」を象徴する短編集なので、短編集「魔女の標的」と合わせて読むことで、ウルフガイシリーズ作品を読む準備は十分です。

初期作品を読破して(または飛び越えて)マシナリーの世界へ

平井和正は晩年BLUEシリーズと呼ばれる2作品を発表しています。
21世紀8マンと言われるシリーズ作品です。

  • BLUE HIGHWAYS(2002年発表)
  • BLUE LADY(2005年発表)

これらの作品は「マシナリー」という存在の主人公が登場します。どちらも中編。作品の発するオーラは「サイボーグ・ブルース」と非常に近いものです。
「マシナリー」はサイボーグとは一線を画するものとのことだったが、平井和正が亡くなった今、どういう存在なのか詳細は不明のままです。
幻魔大戦deepトルテックの後、これらの作品世界の継続を期待していただけに、本当に残念です。

最後に

さて、運良くこのブログに出会えた、少年の行く末はどうなるでしょう?
ひょっとすると「ロボコップ」や「ブレードランナー」より素晴らしい作品を世に送り出す、映画監督になるかもしれませんね。

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サイボーグ・ブルース (角川文庫)

アンドロイドお雪

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