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2013年1月8日、デヴィッド・ボウイ66歳の誕生日に合わせて、突然のニューアルバム(ザ・ネクスト・デイ [The Next Day])のリリースを発表。同時に「Where Are We Now?」のビデオ・クリップが公開された。
僕はTwitterでもつぶやきましたが、デヴィッド・ボウイ引退報道も見たことがあり、このような復活劇になるとは思ってもみませんでした。全く情報を漏らさないでデヴィッド・ボウイのような(有名な)アーティストがアルバムを制作することが可能だったことに驚きました。
この時点で「Where Are We Now?」を視聴することが可能だったので、このアルバムは年齢に見合ったスローな楽曲のならぶものになると思い込みました。
ダミーかと思ったアートワーク(ジョナサン・バーンブルックのデザイン)
ザ・ネクスト・デイのアートワークをAmazonで見たとき、ダミーかと思いました。「”Heroes”」のアルバムジャケット(写真は、40年以上デヴィッド・ボウイを撮り続けてきた写真家・鋤田正義によるもの)にホワイトバックを敷き、その上にシンプルなフォントでタイトルが記載されています。まさか、このままの形でリリースされるとは思ってもみませんでした。ジョナサン・バーンブルック(Jonathan Barnbrook)のデザインということで、かなり深い意味合いのあるアルバムアートワークです。
ジョナサン・バーンブルックは「ヒーザン [heathen]」や「リアリティ [Reality]」と同じデザイナーでフォント使いに特徴がある人。また、写真やロゴを逆さまに使ったりタイトルにラインを引いたり、既成概念を打ち破る驚きがあります。デザイナーとしては見習いたいと思ってました。「Where Are We Now?」のシングルジャケットには今までの流れがストレートに見うけられます。(http://en.wikipedia.org/wiki/Where_Are_We_Now%3F)
ところがこの「ザ・ネクスト・デイ [The Next Day]」で使われているのはシンプルなフォントで「Helvetica」かと思いました。
しかし、やはりバーンブルック、このアルバム用に作ったフォントのようです。デザイン哲学もかなり深いです。
※六本木ヒルズのロゴもジョナサン・バーンブルックです。
「hours…」のような作品を予想させる戦略
先行リリースされた「Where Are We Now?」は、スローな内省的な作品で、この流れであれば「hours…」のような作品を予想させました。しかし、その後アルバム発表までの間に盟友のトニー・ヴィスコンティのインタビュー等が明かされ(http://ro69.jp/blog/miyazaki/77073)、ボウイ史上有数の「ロック・アルバム」になることが判明。
「Where Are We Now?」がリード・トラックとして選ばれたことにはボウイ流の戦略が見え隠れする。期待はいや増すばかりだったのです。
最高のロック・アルバム「ザ・ネクスト・デイ [The Next Day]」
発表から2ヶ月(3月13日)ついに「ザ・ネクスト・デイ [The Next Day]」が手元に。
トニー・ヴィスコンティの言うとおりのアルバムだった「ザ・ネクスト・デイ」。僕は3曲目「The Stars」、4曲目「Love is Lost」、6曲目「Valentine’s Day」、8曲目「I’d Rather Be High」、11曲目「How Does the Grass Grow?」、12曲目「(You Will) Set the World On Fire」が好きです(ほぼ全てですが)。
極めつけは13曲目「You Feel So Lonely You Could Die」この曲のエンディングでは「ジギー・スターダスト」収録「Five Years」のドラムパターンが使われており、泣きたくなりました。
エクストラーバージョンでさらにヒートアップ
そして8ヶ月後、まだ終わりではなかったのです。3枚組の「ザ・ネクスト・デイ EXTRAバージョン」が11月5日発売。この2曲目の「Love is Lost」が圧巻の10分25秒。5分過ぎから、「Ashes to Ashes」のリフがアレンジしてあって、ぶっ飛びました。
10年の沈黙はこの「ザ・ネクスト・デイ」によって完全にあがなわれたのでした。
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