このブログで8マンの最終回について触れるのは3回目になると思います。
実は平井和正の8マンの最終回には小説版があったのを思い出しました。ウルフガイの番外編の「ウルフランド」に掲載されています。
完全に失念しておりました。(歳には勝てません)
フォノン・メーザーは高速サイボーグの通信装置
フォノン・メーザーについてウルフランドでは以下の様に記述されています。
私はついにフォノン・メーザーの使用に踏み切ったのだ。やむを得なかった。私はそこまで追いつめられていた。
ハイ・スピード・トーク。超音波を媒体とした、高速サイボーグの交信形式に用いるいわば音のレーザーともいうべき装置は、使いようによって恐るべき凶器と化す。
あまりにも致命的な威力を秘めるがゆえに、私はみずからに封じていた。その封印を、私はいま破った。
(中略)
フォノン・メーザーは。凶悪きわまりない兵器である。非人道兵器の極地だ。それは無形無音の、物質化した凶暴な害意にほかならない。神経細胞に致命的な損傷を負わせ、発狂させ、凄惨な死をもたらす。
出典:ウルフランド(角川文庫)
つまり、加速状態のエイトマンはフォノン・メーザーによって通信を行っていたようです。
かなりねちっこい説明がされていますが、やはり打ちきりにあった最終回がゆえに唐突な感じがいなめません。
第002回 8マンラストシーン(私の中の最終回)の検証
私は1999年7月13日の記事で以下の様に記述しています。
私はついに最終兵器、フォノン・メーザーの使用に踏み切った。コズマをこれ以上この世界にとどまらせるわけにはいかないのだ。
原子の光で焼き尽くすことが、怨霊と化した彼にしてやれる最後のことだった。コズマを倒した私に勝利感はなかった。もう戻るべき場所も守るべき人もないのだから。
怪物同士の戦いで生き残ったのが私だったというだけだ。
あるいは私もコズマとともに消滅すべきだったのかもしれない。私もコズマ同様、人ではない。鋼鉄のかたまりに閉じこめられた、亡霊にすぎないのだ。
これを見ると、私の8マンの最終回のイメージは、ウルフランド掲載の「8マン “魔人コズマ篇” 最終回より」とも少し違うようです。
当時の私は今よりずっと鮮明に平井作品を記憶していたはずです。当然、ウルフランドも読んでいます。この小説版から最終回のイメージを得ているのに違いないのですが…
ひょっとすると私の中では8マンとサイボーグ・ブルースが一体となって記憶されているのかもしれません。
フォノン・メーザーについては完全に認識が誤ってます。
それに、コズマを焼き尽くしたのは電撃によるものです。
私は、両の拳の放電極から電撃を解き放ち、怪物を焼いた。
出典:ウルフランド(角川文庫)
桑田次郎さんが描いた8マン最終回について
桑田次郎さんと楠たかはるさんの8マンの最終回があまりにも違っているのに驚きましたが、ウルフランドを読み返して疑問が解けました。
桑田次郎さんは晩年最終回を書き直しているために、ウルフランドの「8マン “魔人コズマ篇” 最終回より」を原作として使用したに違いありません。(私の推測に過ぎませんが…)
興味のある方は是非、ウルフランドと8マン(完全版)を読んでみて下さいね。
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