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荻原規子さんは2009年に「レッドデータガール」をはじめて知ってから、好きな作家の一人になりました。
それまで、伝奇小説やSF小説趣味に徹していましたが、上橋菜穂子さんの「獣の奏者」以来、児童文学作家に優れた方が多いということを知りました。
荻原規子さんで最初に読んだ本は「銀のさじ」シリーズの「RDG はじめてのお使い」でした。
この作品を読んだときには、平井作品と共通するものを感じて、大変喜びました。
勾玉三部作
荻原規子さんの代表作と言えば、以下の「勾玉三部作」です。
私は新書版も文庫版も持っていますが、最初に「空色勾玉」を読んだ時には、「RDG」を読んだ後でしたので、あまりにも読みにくい作品と言うことでびっくりしました。
荻原規子さんが得意とするのは歴史ファンタジーと言われる分野で、特にこの「勾玉三部作」は日本の古代世界を舞台としているだけに、分かりにい印象でした。
ただ、「RDG」が本当に気に入っていたのでデビュー作は絶対読まなければ、という義務感みたいなもので読み始めた作品です。
驚きなのはこの文字がいっぱい詰まった作品が児童文学だったということです。
荻原規子さんはどこかで、「年齢を意識して作品を書いていない」というようなことを述べられていたと思いますが、私も読むのに苦労しましたので、児童と呼ばれる年齢ではかなり難しいのではないかと思いました。
空色勾玉
荻原規子さんのデビュー作です。これを最後まで読み切ってしまえば、荻原規子さんの世界に引き込まれることは確実です。
白鳥異伝
勾玉三部作のなかでは最も気に入った作品。遠子のキャラクターがこの作品を生き生きとしたものにしています。
薄紅天女
白鳥異伝が気に入っただけに、この薄紅天女もすこし分かりにくかったです。
風神秘抄
荻原規子さんの小説の中で最も好きな作品です。
平安時代を舞台にした作品で、笛と舞にある種のフォースを持たせていることがSFファンにも受け入れられる作品ではないでしょうか?
「草十郎」と「糸世」の関係を「大上円」と「百合川蛍」に置き換えると平井和正のファンにはたまらない作品です。
平井和正ファンはこの本を読まなければならないと断言しておきます。
あまねく神竜住まう国
風神秘抄と地続きの作品です。これも児童書扱いですね。読み通せる児童が多いならば、日本の将来は明るいと言わなくてはなりません。
源氏物語 紫の結び
世界最古の長編小説と言われる源氏物語です。
いままで幾度となく挑戦しましたが、途中で挫折してきました。
荻原規子さんが新訳版を出されると知って、即座に手に入れました。
この源氏物語は「源氏物語を知り尽くした荻原規子さん」が光源氏の生涯を現代人にも分かりやすく再構成したものです。各巻に荻原規子さんによる構成の解説がついていますので、源氏物語に興味があるけど読めなかった読者にも親切な作りになっています。
以下に各巻の構成を掲載しておきます。
この構成を手がかりに新しい源氏物語に興味を持っていただけると幸いです。
紫の結び 一
- 一 桐壺
- 二 若紫
- 三 紅葉賀
- 四 花宴
- 五 葵
- 六 賢木
- 七 花散里
- 八 須磨
- 九 明石
紫の結び 二
- 一〇 澪標
- 一一 絵合
- 一二 松風
- 一三 薄雲
- 一四 朝顔
- 一五 少女
- 一六 梅枝
- 一七 藤裏葉
- 一八 若菜 上
紫の結び 三
- 承前 若菜 上
- 一九 若菜 下
- 二〇 柏木
- 二一 横笛
- 二二 鈴虫
- 二三 御法
- 二四 幻
- 二五 雲隠
学園ファンタジー・エッセイ(作品年表)
荻原規子さんの学園ファンタジー・エッセイや作品年表等については以下をご覧下さい。
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