photo by nubobo
私は竹島将の作品が好きでした。
平井和正のウルフガイからバイオレンスがなくなってしまった後、大藪春彦さんと共にフラストレーションを発散させてくれる作家が竹島将だったのです。
竹島将は「チーム竹島」を率いてロードレース選手権に参戦したりしていました。
バイクが本当に好きだったんですね。それ故に、バイク事故による32歳の若さでの死は残念でなりません。
まだまだ、素晴らしい作品を残してくれるものと期待していたのですが…
竹島将作品の特徴はSFまがいのスーパーヒーローが多いということ。
夢枕獏や菊地秀行のようなヒーローの設定が、完全に飛んでしまってます。
しかし、世界観だけはしっかりしていたので、違和感なく(?)読めてしまいました。
ヒーローが生まれるパターンとしては魂を揺さぶる事件をきっかけに普通の人が超人化してしまいます。
これはもうSFとしか言いようがないのですが、SF作品ではありません。
その不思議な魅力は、現在の映画界のようにコンピューターグラフィックスでリアリティーを出してしまう力技の様でもありましたが、面白いことに変わりはありません。
本当に大好きな作家でした。
ファントム勇者伝説
私が最も好きなシリーズの第一部です。
矢沢高雄を主人公とする一連のシリーズ作品で、第一作「ファントム強奪」は氏のデビュー作でもあります。
キャラクターとしては沢村ゆりが一番です。
美女で強くてしかもセクシー。言うことなしです。
シリーズ作品一覧
- ファントム強奪(1984年)
- 人質空中奪還(1985年)
- 鮮血の貴婦人(1985年)
- 灼熱の女獣(1985年)
- 空獣狂熱祭(1986年)
- 戦慄の女神(1986年)
- ファントム蒼空戦線(1986年)
ファントム戦士伝説
死んでしまったと思われた矢沢高雄。
沢村ゆりを主人公として物語はスタートするのですが、矢沢高雄が蘇りさらなるバイオレンスを展開する痛快アクション小説です。
一応、完結作品です。
シリーズ作品一覧
- 女獣戦線(1987年)
- 熱空の女王(1987年)
- 黒衣の略奪者(1987年)
- 戦士誕生(1987年)
- 英雄復活・上(1988年)
- 英雄復活・中(1988年)
- 英雄復活・下(1988年)
- 英雄戦線・上(1988年)
- 英雄戦線・下(1989年)
- 燃える戦線(1989年)
野獣舞踏会
家族を殺され、その衝撃のため超人的「野獣」と化した石田徹を主人公とするスーパーバイオレンス小説。
超人と化した石田はCIAとKGBの闘争に巻き込まれていく。
この小説も好きでしたね。
しがない新人サラリーマンだったころに読んだので、ストレスもぶっ飛びました。
シリーズ作品一覧
- 野獣舞踏会(1985年)
- 凶獣円舞曲(1986年)
- 野獣魔奏曲(1986年)
野獣外伝
記憶を失った石田徹を復活させたシリーズ。
完結作品です。
シリーズ作品一覧
- 野獣たちの戦場(1988年)
- 野獣たちの誇り(1988年)
- 野獣たちの紋章(1988年)
- 野獣たちの標的(1989年)
- 野獣たちの疾走(1989年)
- 野獣たちの追憶(1989年)
- 怒りの野獣たち(1989年)
- 逆襲する野獣たち(1989年)
- 最果ての野獣たち(1989年)
- 壮烈なる野獣たち(1990年)
- 野獣たちの血統(1990年)
- 野獣たちの訣別(1990年)
新・野獣舞踏会
野獣舞踏会シリーズで登場した「鬼道組」や連城重吾、ノーマン・J・ストライカー達を登場させた新たなシリーズで、バイオレンスに継ぐバイオレンスは圧巻。
シリーズ作品一覧
- 美獣誕生篇(1987年)
- さまよえる餓狼篇(1987年)
- 白狼復活篇(1987年)
- 訣別の戦場篇(1988年)
- 修羅の白狼篇(1988年)
- 鬼道組訣別 上篇(1988年)
- 鬼道組訣別 下篇(1988年)
- 亡獣絶命篇(1989年)
野獣舞踏会列伝
鬼道組をメインに据えたシリーズ。
竹島将の死によって最終巻を泉優二氏が書き足して完結させています。
竹島将は最終巻を200枚以上書き上げていました。
書き足す必要があったかどうか疑問です。未完のまま終わらせても良かったのではないかと思います。
シリーズ作品一覧
- 皇帝・殺戮のシナリオ(1989年)
- 孤狼・謀殺の魔手(1989年)
- 凶豹・荒野の飢兵(1989年)
- 女獣・野望の戦場(1990年)
- 鬼道組・地獄の使者(1990年)
- 鬼道組・不滅の闘将(1990年)
探偵 萩原大悟
戦場帰りの私立探偵・萩原大悟のハードボイルド・バイオレンス小説。
上記の作品群と比べるとインパクトに欠けます。
シリーズ作品一覧
- 淫らなる殺戮(1988)
- 硝煙の街に死ね(1989)
その他
他にも「黄金郷への漂泊者」「破滅の日」「魔宮戦場」等の作品を読みましたが、手放してしまいました。
本当に惜しい作家を亡くしました。
氏の作品(探偵 萩原大悟以外)の表紙も生頼範義さんです。
生頼さんの表紙でなければ手に取らなかったかもしれません。
「生頼範義Ⅱ 記憶の回廊 図録」がとどきましたが、凄まじい迫力の画集でした。
© bluelady.jp
オススメ
生頼範義 緑色の宇宙 (玄光社MOOK illustration別冊)
by Amazon
コメント