初期のデヴィッド・ボウイで最もロックな味付けをされたアルバムが「The Man Who Sold The World」です。
バンドもスパイダース・フロム・マースの基礎が出来上がっています。
しかし、「スペイス・オディティ」と共に商業的には振るいませんでした。
当時は受け入れられなかったかもしれませんが、今聞き返すと興味深いアルバムであることが分ります。
デヴィッド・ボウイはマーク・ボランに負けたくなかった
Man Who Sold The World image by Amazon
「スペイス・オディティ」はフォーク・ロックテイストでしたが、このアルバムはハードロックです。
デビッド・ボウイの「過去のアルバムからの脱却」は既にこのアルバムから始まっていました。
デヴィッド・ボウイの歌唱もまだ定まっておらず、このアルバムではマーク・ボランの歌唱法を真似ている曲も数曲あります。
この時点ではデヴィッド・ボウイよりボランの方が先を走っていたのでしょうか?
ボウイはボランの歌唱法を取り入れながらも負けたくなかったのだと思います。
ボランの雰囲気が顕著なのは「Black Country Rock」です。
後半ではそのままボランに聞こえてしまいます。
タイトルはロバート・A・ハインライン「月を売った男から」
すでに、このアルバムはデビッド・ボウイの発想の根幹と言える曲がちりばめられています。
タイトルにはSF作家ハインラインの小説から発想されています。
「Saviour Machine」もSF的な曲で、テクノロジーに支配された未来がテーマになっています。
さらに超人的な潜在能力を持った人をテーマにした「The Supermen」はジギー・スターダストの核となっているアイディアとも言われています。
これらの2曲はこのアルバムにおいて最重要の曲と言って間違いないでしょう。
このアルバムには既にジギー・スターダストやアラジン・セインの萌芽が詰め込まれているのです。
ここで、収録曲を挙げておきます。
The Man Who Sold The World
- The Width Of A Circle
- All The Madmen
- Black Country Rock
- After All
- Running Gun Blues
- Saviour Machine
- She Shook Me Cold
- The Man Who Sold The World
- The Supermen
以前、aladdindogsさんから指摘があったように「Saviour Machine」の一節は「Ching-A-Ling」のメロディーが使われています。
このアルバムは好きな曲が多すぎます。
あらためてこのアルバムを聞き直して見ると、全曲いいじゃない!!!!
ということになってしまって、曲をピックアップすることが出来なくなりました。
「The Width Of A Circle」は8分ものオープニングを飾る曲で、スローテンポに始まりながらハードな拡がりを見せエンディングへ疾走していきます。
このアルバムの中でもベストソングの一つです。
この曲はドッペルゲンガーを歌っているようでもあり、SFと人格の分裂といったボウイの最重要のテーマを扱っています。
「She Shook Me Cold」はメタルの元祖ともいえる曲で、ロンソンのギターが時代もを切り裂くように聞こえます。
前述しているように「Saviour Machine」と「The Supermen」は外せません。
テーマ曲の「The Man Who Sold The World」は言うまでもなく大好きな曲です。
ということで、このアルバムからはとりあえず5曲選んでおきます。
- The Width Of A Circle
- Saviour Machine
- She Shook Me Cold
- The Man Who Sold The World
- The Supermen
…でも「All The Madmen」も捨てがたい。
あえて1曲にするとすれば「The Man Who Sold The World」を外して「Saviour Machine」ですかね。
……
さて、皆さんはいかがでしょうか?
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コメント
やまりんさん、私は「All The Madmen」でお願いします。
ボウイの初期アルバムはどれも捨て曲が無く、みんな好きになる曲です。
捨て曲が入ってくるのは、80年以降でしょうか?
初期の曲は何度も聴いているので、みんな覚えていますが、中後期ではタイトルからどんな曲だったか分からないものもありますね。
aladdindogsさん、ありがとうございます。
「All The Madmen」はいいですね。
これからのボウイ記事はベスト曲テーマが多くなってくると思います。
おつきあいよろしくお願いします。
あ、今日はこれから「バットマン vs スーパーマン」観に行ってきます。
「バットマンVSスーパーマン」いいですよ。なぜかワンダーウーマンに萌えました。
今後の「ジャスティスリーグ」も楽しみです。
ヤフーTポイントが貯まっていたので
ユリイカ4月号を185円で購入しました。
本日届きました、本の中身の9割がかく著名人によるボウイの記事、エッセイで読み応えがあります。
音楽雑誌とは一風変わっていて購入して良かったと思います。
まだ4分の1ぐらいしか読んでいませんが。
aladdindogsさん、ありがとうございます。
既に買っておりますが、いつもの様に積ん読になっています。
ユリイカは時としてジャンルがなくなります。
コミックだったり、ラノベだったり…
今回、ボウイだったので、見逃さなかったのですが…
早く読みたいです。
「バットマンVSスーパーマン」見てきました。
「ワンダーウーマン萌え」は同感です。
わたしも「All The Madmen」に一票を。
my best のためにいろいろと聴き返す中で再発見した曲です。
もう一曲は「円軌道の幅」でしょうか。
ユリイカはまだ買ってません。年とともに字が小さいのが苦痛になってきておりまして。
Bowie 本とBABYMETAL本が一杯でウレシイ悲鳴です。
たこべいさん、ありがとうございます。
たこべいさんは既にご自分のベストを作られていますが、私の記事と一緒に作ったものを掲載してもいいですか?
ぜひ、よろしくお願いします。
私も読書量が激減してます。
老眼も一因ですが、ブログ記事を書く時間も読書時間を減らしているような…
ブログ止めませんけど。
Linさん、、もちろんOKです。
楽しみにしています。
たこべいさん、ありがとうございます。
もう、載せちゃいました。
https://8blue.net/best-of-bowie/
アルバムを遡ってベスト曲をチョイスしていただいてもOKです。
この企画は進捗が遅いのが特徴です(笑)
最後にどんなベストができあがるかは「★」の後にならないと分かりません。
やまりんさん、私の一曲目は「Take My Tip」だったような気がします。
aladdindogsさん、すみません。
間違ってました。
修正しておきました。
僕は「救世主機械」でお願いします。
この邦題大好き!
星新一みたいですよね。
カラアゲボーイさん、「Saviour Machine」は「救世の機械」では??
げげっ笑
だとしたら高校生の時からずっと勘違いしてました!笑
(邦題見返すこと、ほとんど無いですもんね…)
星新一も大好きです。
実は「Sevior Machine」の邦題をいままで知りませんでした。
このころのボウイのアルバムと、星新一は世界観というか、味わいが似てる気がするんです。
1991年発売のEMI盤を見てみました。
邦題は「救世の機械」となっていました。
「救世主機械」はSF小説の世界ではよく使われているようです。
ネットでみるとけっこう面白い記事が見つかります。
もう今更なんで、僕の中では救世主機械で行きまーす笑