ボウイだけでなくプリンスまでも逝ってしまうとは何という年でしょう。
音楽界の落胆はより深いものになってしまいました。
残念です。
さて、アルバム「ダイヤモンドの犬」を発表し、ツアーに出たデヴィッド・ボウイはソウルへの傾倒をあらわにしていきます。
ツアーの名前も「ダイヤモンド・ドッグズ・ツアー」から「フィリー・ドッグズ・ツアー」に変わってしまいました。
ボウイの声は「DAVID LIVE」を経て、どんどんかすれ声になっていきます。
「ダイヤモンドの犬」までを続けて聴いてきましたが、このボーカルの変化には戸惑います。
「ダイヤモンドの犬」と「ステイション・トゥ・ステイション」に挟まれたアルバム「ヤング・アメリカンズ」は、まるで「ピンナップス」のように横道に逸れたアルバムのように感じます。
あるいは、実験的なアルバムだと言えるかもしれません。
そうした実験的変化の中でアメリカNo.1シングル「Fame」が生まれてしまったことが皮肉です。
このような実験作がヒットを生んでしまう流れは「レッツ・ダンス」にも通じています。
しかし、「ヤング・アメリカンズ」の頃のボウイは、そこに留まることはありませんでした。
そのことが「レッツ・ダンス」〜「ネヴァー・レット・ミー・ダウン」まで、同じようなアルバムを連発した失敗とは大きく異なっています。
ヤング・アメリカンズ スペシャル・エディション
CD+DVD盤
2007年、アルバム「ヤング・アメリカンズ」はCD+DVDのスペシャル・エディションが発売されています。
CDには以下の3曲のボーナストラックが収録されました。
- John, I’m Only Dancing (Again)
- Who Can I Be Now?
- It’s Gonna Be Me [With Strings]
これらは帯で未発表音源となっていますが、Ryko盤でボーナストラックになっていました。
それに「John, I’m Only Dancing (Again)」は既にシングルで発表されているはずです。
「Who Can I Be Now?」と「It’s Gonna Be Me」については、追加録音された「Across The Universe」と「Fame」の前に収録予定だった曲ではないかと思います。
詳しくは以下のページをご参照ください。
そこで、「Across The Universe」と「Fame」を「Who Can I Be Now?」と「It’s Gonna Be Me」に差し替えたプレイリストを作ってみました。
これは以前aladdindogsさんにコメントいただいた構成です。
以下のような構成になります。
Young Americans [Special]
- Young Americans
- Win
- Fascination
- Right
- Somebody Up There Likes Me
- Who Can I Be Now?(Across The Universeと差し替え)
- Can You Hear Me
- It’s Gonna Be Me [With Strings](Fameと差し替え)
この方がボウイらしく聞こえてしまうのは、私だけではないはずです。
「It’s Gonna Be Me」は6分以上の大曲でエンディングにふさわしいように思えます。
……
DVDにはCDと同じボーナストラックを含む11曲が5.1サラウンドで収められています。
さらに1974年の「ディック・キャヴェット・ショー」のライヴで「1984」「Young Americans」が収録されています。
また、7分以上のインタビューも記録されています。(日本版には字幕も入っています。)
このDVDを見るとデヴィッド・ボウイの声が本当にかすれてしまっていることがよく分かります。
ソウルを歌うために作られたボーカルではないということです。
ドラッグの影響でだといわれていますが、このかすれ声の方がソウルには合っているように思えます。
ベスト選曲
この曲が入ることでアルバムとしての完成度は落ちてしまったかもしれませんが、ベスト曲を選ぶなら「Fame」しか考えられません。
「Fame」を外して考えようとしたのですが、無理でした。
ボーナス曲の「Who Can I Be Now?」と「It’s Gonna Be Me」も大好きなのですが、「Fame」のインパクトに負けてしまいました。
……
さて、皆さんはいかがでしょうか?
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www.bluelady.jp – Recommended
Young Americans (Bonus Dvd) (Pal)
日本版が見つけられませんでした。
※Amazonにリンクします。
コメント
私は「Right」でお願いします。
この曲のギターソロが好きです。
aladdindogsさん、いつもありがとうございます。
「Right」を改めて聴いてみるとカッコいいですね。
ダイヤモンドドッグス→ヤングアメリカンズ→ステーション の流れが好きです。
黒人音楽への憧れ~Bowie なりの消化(変ないい方ですが)。
前にも書いたような気もするのですが、NHK でやっていた「5つの時代」が興味深い内容でした。
「Fascination」
「Can You Hear Me」
をmy best で選んだりですが、「win」「right」も大好きです。
本調子であったなら、このアルバムのころのライブ映像を観たいものです。
たこべいさん、いつもありがとうございます。
ソウル好きなんですね。
Linさんのいう”横道にそれた”感からか、いちばん聴く機会の少なかったアルバムですが、Bowie漬けのここ4ヶ月では一番聴いています。Ryko盤のボーナストラックはみな優れものですが、このアルバムの3曲はとくに必殺ですよね。
私が好きな各1曲は memory of free festival,the width of a circle,Andy Warhol,five years,lady grinning soul,see Emily play,rock’n roll with me,it’s gonna be me ですかねぇ。
S to S以降も楽しみです。
jamさん、ベスト・オブ・ボウイにご参加、ありがとうございます。
「ベスト・オブ・ボウイ」のページに追記させていただきますね。
今後ともよろしくお願いします。
who can i be now はボウイの最も好きな曲のひとつです。この曲を聴くと、なんとも表現しがたい感情が沸き起こります。
チャトランさん、はじめての書き込みありがとうございます。
今後ともよろしくです。
「Who Can I Be Now?」はボックスセットになりますね。
「Who Can I Be Now? (1974 – 1976)」について以下の記事のコメントで情報を頂きました。
見てみてください。
デヴィッド・ボウイ ベスト・ソングズ10(No.01:全楽曲中からのピックアップ)