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F1スペインGPでマックス・フェルスタッペンが優勝したことは、今回の最大の見所だったかもしれません。
しかし、私が最も注目したのはレッドブルのダニエル・リカルド vs フェラーリのセバスチャン・ベッテルです。
彼らは3ストップ戦略を採用するのですが、ベッテルは最初からそうするつもりではなくて、リカルドに引っ張られた形でした。
ダニエル・リカルド vs セバスチャン・ベッテル
スペインGPは久々のバトルが見られました。
それがレッドブルのリカルド vs フェラーリのベッテルです。
フェラーリを驚異と感じたレッドブルはリカルドとフェルスタッペンでピット戦略を分ける決断をします。
もともと理論上は3ストップの方が速いサーキットということだったのですが、抜きにくいサーキットでもあるので、レッドブルは戦略を分けることにしたのでしょう。
結果的に2ストップ戦略の方が速かったようです。
……
トップ争いをしていたベッテルは、リカルドが3ストップを採用する以上、リカルドをフォローせざるを得なかったということだと思います。
ベッテルは、もともと2ストップで行くつもりだったと思います。
戦略を変更したため、最後のタイヤ交換が不自然に速く感じられました。
……
トップを走っていたリカルドは戦略が機能せず、ベッテルの後方、4位に落ちることになってしまいます。
そこから、リカルドとベッテルの素晴らしいバトルが開始されました。
59周目、リカルドのレイトブレーキングによるパス
ダニエル・リカルドは再三ベッテルにアタックをしかけます。
そして、決定的だったのが59周目、1コーナーでのパスです。
リカルドはストレートのスピードを保ったまま、限界ギリギリのレイトブレーキングを敢行。
ベッテルの前に出ます。
しかし、レッドブル・チームスタッフの喜びも一瞬。2コーナーでベッテルに抜き返されてしまいます。
リカルドは無理な突っ込みがたたって、ベストな走行ラインをとることが出来ませんでした。
ベッテルもこのリカルドの突然のアタックにクラッシュすることなく冷静に対応し、レッドブルのマシンを抜き去ったドライビングはさすがでした。
ラスト1周でのリカルドのパンク
リカルドのアタックはまさにF1の醍醐味です。
このようなバトルが見たいからF1を追い続けているのです。
久々にパスの瞬間、大きな歓声がでました。
ところがです、リカルドはラスト1周となった65周目にタイヤをバーストさせてしまいます。
おそらくリカルドのハードなアタックにタイヤが耐えられなかったのでしょう。
アタックするとパンクするようなタイヤを採用するF1は速さを競うスポーツとは言えません
リカルドのタイヤのバーストに現代F1のつまらなさを見た気がしました。
私たちはバトルが見たいのに、バトルをすると壊れてしまうようなタイヤをいたわりながらドライバーたちは走っているのです。
こんな、馬鹿げたことはありません。
足かせをされて競争しているようなものです。
現代F1は速さを競うスポーツではなくなってしまったのです。
どうやってタイヤを持たせるか?
これ以上攻めたらタイヤがダメになるからゆっくり走ろう。
そんな耐久じみたことばかり考えなければならないF1にバトルなど増えようがありません。
以前のような熱いバトルが見られるF1を取り戻すためには、まずハードに使えるタイヤが必要なのです。
ややこしいルールを考える暇があったらタイヤの見直しとタイヤに関するルール変更を行ってもらいたいと切望します。
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