Photo by Sara Cimino
私のF1視聴環境はコンピュータが中心になってしまいました。
それというのもF1が単純にスピードを競うスポーツではなくなって、ルールやら戦略やらが複雑に絡み合ったものになったからです。
ライブタイミングは必須だし、ネットのライブ解説も見ていないとよく分かりません。
私がF1観戦をする時はPCの3枚のモニターとiPadに以下のそれぞれが映し出されています。
- フジテレビNEXT smart
- F1公式サイトのF1 ACCESS
- ESPN F1のコメントライブ
- F1ライブタイミング ※iPad
これらの情報を見ながらピット回数、タイヤ戦略、ラップタイム等を考えながらF1を見ています。
しかし、何故かセナ・プロスト・マンセルの時代ほど面白くありません。
燃費やタイヤをセーブしてレースをすることは昔も今も変わりはありません。
それなのになぜ、これほどにF1はつまらなくなってしまったのでしょうか?
一つにはルールの複雑化があげられるでしょう。
考える事が多すぎるのです。
しかし、最大の理由は、実況がつまらなくなったせいなのではないでしょうか?
以前はテレビにしがみつき、実況と解説を聞いているだけで、十分楽しめたのです。
今のF1はテレビを見るだけだと眠ってしまいそうです。
名物実況アナウンサーの不在
記憶に残るのは1980年代の終わりから1990年代にかけてのF1です。
予選を見なくても、決勝レースをテレビ観戦するだけで楽しめました。
単純に興奮することが出来たのです。
その立役者はテレビの実況アナウンサーでしょう。
1989年から1994年まで担当した古舘伊知郎アナウンサーと1990年から1999年までの三宅正治アナウンサーのF1実況はとても面白かった。
実況を聴いているだけで気分が高揚したものです。
古館伊知郎の実況
古館伊知郎さんはプロレス実況からはじめた方なので、どちらかというとプロレスの方がなじみ深く、F1の実況に最初は違和感がありました。
ところが、今ふり返ると数々の名言(迷言)を思い出すことができます。
- アイルトン・セナ:音速の貴公子
- アラン・プロスト:F1詰め将棋
- ミハエル・シューマッハ:ターミネーター
- ナイジェル・マンセル:荒法師
- 中島悟:納豆走法
- 片山右京:張り子の虎走法
…etc.
それぞれドライビングスタイルを的確に言い表しています。セナだけが別格なのが気になりますが、単純にファンだったからなのでしょう。
三宅正治の実況
現在では「めざましテレビ」の三宅さんになってしまいました。
元々競馬の実況を志してアナウンサーになった方で、スポーツアナウンサーとして様々な実況を担当されています。F1ではセナの走りを「鬼神の走り」と表現したのも三宅さんだったと思います。
三宅正治はF1で歴史に残る1992年のモナコGP、セナ vs マンセルのバトルを実況して勇名をはせました。
今でも最終ラップの実況で、
「ここはモナコ、モンテカルロ、絶対に抜けない!」
というフレーズを思い出します。
名勝負は名実況によってさらに印象深いものになったのでした。
今のF1担当アナウンサーが1992年モナコGPを実況したら?
現在のF1担当アナウンサーが1992年モナコGPを実況していたらどうなっていたでしょうか?
セナのタイヤの摩耗ばかり気にしていたかもしれません。
または、解説者の意見を伺うばかりで、しらけてしまうのではないでしょうか?
……
今のF1には、昔のようにレースをショーとして盛り上げられる名物アナウンサーが必要だと思います。
古舘伊知郎アナウンサーや三宅正治アナウンサーが今のF1を実況したらどうなるのか?
想像するだけでもスリリングです。
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