image by Franklin Heijnen
ヒーローズ(英雄夢語り)は前作ロウと同じくボーカルパートとインストルメンタルパートを持った兄弟アルバムです。
前回の記事で白状したようにアンビエント部分が苦手だった私ですが、このアルバムはそのことが全く気にならないほどの強烈なロックアルバムという印象を受けました。
そして、このアルバムをはじめて聴いた時、それまでで最も好きなアルバムの地位を獲得したのでした。
ハンキー・ドリーやジギー・スターダストを生み出した時と同様、最も創造的な時期を迎えたデヴィッド・ボウイ
1976年の中盤から1977年はデヴィッド・ボウイの経歴の中でも最も創造的な時期の一つと言えると思います。その間にデヴィッド・ボウイのアルバムとしては傑作のロウとヒーローズをものにしていますが、そればかりではなくイギー・ポップの2つの代表的なアルバムもプロデュースしています。
当時のデヴィッド・ボウイの旺盛な活動は以下の年表で見て取れます。
1976年6月:シャトー・デルヴィル・スタジオでイギー・ポップのアルバム「イデオット」の制作開始
1976年9月:同スタジオにて「ロウ」の録音を開始、大半を録音した後、同月末にベルリンのハンザ・スタジオに移りミキシング作業
1977年1月:「ロウ」発表
1977年3月:「イデオット」発表、イギー・ポップのツアーにキーボード担当で帯同
1977年4月:イギー・ポップの「ラスト・フォー・ライフ」を2週間半で完成
1977年5月:「ヒーローズ」の録音開始(ロバート・フリップはわずか6時間で自分のパートを終えたといわれている)
1977年8月:「ラスト・フォー・ライフ」発表
1977年10月:「ヒーローズ」発表
The Next Dayでも使われた代表的なアルバムジャケット
「”Heroes”」のアルバムジャケットは鋤田正義さんが撮影したものですが、デヴィッド・ボウイのアルバムジャケットではベストなものとなりました。
ペルソナでは「アラジン・セイン」が、ジャケットではこの「”Heroes”」のジャケットが、デヴィッド・ボウイの代名詞になっているはずです。
ジョナサン・バーンブルックによってデザインされた、2013年発表の「The Next Day」のジャケットでは、「”Heroes”」のロゴに線をひき、ホワイトバックに「The Next Day」のフォントを入れて大胆にアレンジされたものになりました。
それというのも、この「”Heroes”」というアルバムがデヴィッド・ボウイの代表作であるためです。
「”Heroes”」は楽曲もアルバムもデヴィッド・ボウイそのものといえる傑作だと思います。
ロウとヒーローズのボーカル曲で作ったプレイリスト
前回の記事でも書きましたが、当時アンビエントが苦手だった僕は「ロウ」の時と同様、独自のプレイリストを作って聴いていました。それは以下のようなリストです。
- Breaking Glass
- What In The World
- Sound And Vision
- Always Crashing In The Same Car
- Be My Wife
- Beauty And The Beast
- Joe The Lion
- “Heroes”
- Sons Of The Silent Age
- Blackout
- The Secret Life Of Arabia
このプレイリストを長い間、愛聴していました。
兄弟アルバムとはいえ、ヒーローズの方が硬質な曲が多く、私の好みです。
特に
- Joe The Lion
- “Heroes”
- Blackout
- The Secret Life Of Arabia
の4曲が大好きだったため、アンビエントな「”Heroes”」も僕の中ではデヴィッド・ボウイのベストアルバムの位置に、のし上がったのだと思います。
ボウイは「ロウ」でアート・ロックを極めましたが、この「”Heroes”」で親しみ安い楽曲へ舵を切ります。
その方向性は次のアルバム「ロジャー」によって、より鮮明になるのでした。
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Heroes
ボウイ史上、最高のアルバムです。
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コメント
おはようございます、やまりんさん。
私も「ヒーローズ」大好きです。「ロウ」の余韻がまだ残る中、同じ年に出されました。
フリップのギターは「スケアリーモンスターズ」以上に乗っている気がします。
78年に武道館で見た2度目の来日ライブも素晴らしかったですよ。
aladdindogsさま
おはようございます。
five years boxもうすぐですね。
楽しみです。
新作の情報は、なかなか聞こえてきませんね。
まちどおしいです。