Photo by ivva イワヲ
ずいぶん前から「ヒカルの碁」というコミックが面白そうだと思っていました。
一度も見たことはありませんが、アニメにもなったことも知っています。
15年ほど前の囲碁ブームには、おそらくこのコミックの影響があったと思います。
そんな人気コミックを私はこれまで一度も読んだことがありませんでした。
というのも、私には碁が出来ないからです。
碁が出来ないと碁を扱ったコミックは面白くないだろうと思い込んでいました。
しかし、そんなことはなかったのです。
ヒカルの碁を手に取ったきっかけ
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最近コミックは電子版を読んでいます。
時々、期間限定で無料のものや、ずっと無料公開されている本があります。
この「ヒカルの碁」も期間限定無料だったので読み始めました。
……
「ヒカルの碁」は、平安時代の棋士・藤原佐為の霊が主人公・進藤ヒカルに取り憑くところから始まります。
コミックらしい始まりは荒唐無稽で抵抗もあるのですが、1巻を読み切ってしまうと、後は問題ありません。
その後は藤原佐為がいないことの方が違和感を感じてしまいます。
藤原佐為が実在の棋士・本因坊秀策にも取り憑いていたという設定が後に大きな意味を持ってきます。
棋士といえば冲方丁の「天地明察」の主人公・渋川春海(安井算哲)の名前ぐらいしか知りませんでした。
そんな囲碁を全く知らない私でもこのコミックにぐいぐい引き込まれてしまい、あっという間に最終巻(23巻)まで読み切ってしまいました。
藤原佐為が消える理由
ヒカルの碁 2 (ジャンプコミックスDIGITAL) image by Amazon
このコミックは途中で藤原佐為が消えてしまいます。
しかし、私には藤原佐為が消える理由がよくわかりませんでした。
- 塔矢行洋とのネット碁で「sai」が勝ったことによるものなのか
- 塔矢行洋との対局を進藤ヒカルに見せることが役目だったのか
- 進藤ヒカルが成長したためなのか
- 進藤ヒカルに神の一手を追い求める役割を引き継ぐ役目だったのか
いまひとつピンときませんでした。
藤原佐為は現世に留まりたかったにもかかわらず消えてしまったのです。
囲碁を打ちたい(神の一手を極めたい)という思いが霊となってまで、現世に甦らせたにも関わらず、その思いは達せられたように思えませんでした。
北斗杯はいらなかった
ヒカルの碁というコミックにおいて藤原佐為の魅力は際立ったものです。しかし、突然の退場は、それまでのストーリーの流れを分からなくしてしまいました。
藤原佐為を進藤ヒカルが探すというエピソードなどは、なんだか無意味のような気さえしてしまいます。
さらに、北斗杯で完結をむかえてしまうのは、なんだか途中で打ち切りにあったのではないかとさえ思えてきます。
塔矢行洋や桑原本因坊と進藤ヒカルの対局がありそうなストーリー展開にも関わらず、北斗杯で終わってしまったことが謎です。
このような中途半端で終わってしまうなら、藤原佐為が消えるエピソードをもっと盛り上げて昇華するストーリー立ての方がよかったでしょう。
「遠い過去と遠い未来をつなげるために…」は、藤原佐為の台詞としてあげたかったと思うのです。
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