Photo by Zach Catanzareti Photo
フェルナンド・アロンソが参戦したことで、注目が集まった第101回インディ500。
フェルナンド・アロンソはラップリーダーに立つ活躍を見せ、その実力を示しました。
しかし、このレースのヒーローはアロンソではありませんでした。
佐藤琢磨がついに日本人としてはじめてインディ500のウイナーになったのです。
アメリカン・モータースポーツの最高峰であり、世界三大レースの一つである伝統のインディー500の勝者に日本人の名前がついに刻まれました。
2012年のダリオ・フランキッティとの最終ラップでのバトルでクラッシュし、その栄光を掴みそこねた佐藤琢磨。
5年後、ついに雪辱を果たしたのです。
このレースもエリオ・カストロネベスとの熾烈なバトルに打ち勝って、やっと掴んだ勝利は日本中のモータースポーツファンの心に残る歴史的なレースになったのでした。
アンドレッティ・オートスポーツが強さを見せつけた序盤
レース序盤はアンドレッティ・オートスポート・チームの4人、マルコ・アンドレッティ、フェルナンド・アロンソ、佐藤琢磨、ライアン・ハンターレイがレースを引っ張る展開にになります。
フェルナンド・アロンソは常に上位を走り、ラップリーダーに立つ活躍を見せます。
F1では乗るマシンの性能から全く勝てなくなってしまいましたが、今でもトップクラスのドライバーであることを証明しました。
トウを使ってのオーバーテイクシーンは、とてもルーキーとは思えませんでした。
スコット・ディクソンが宙を舞うクラッシュ
第101回インディ500は9回にもおよぶイエロー・コーションが出されました。
一番肝を冷やしたのは53周目、スコット・ディクソンとジェイ・ハワードのクラッシュです。
スコット・ディクソンが宙を舞いコースの内側のウォールに激突しました。
この時、エンジンもマシンから寸断され飛び散ってしまいます。
ディクソンもハワードも怪我がなかったのは奇蹟的でした。
赤旗となりましたが、この時のリーダーはフェルナンド・アロンソでした。
最終スティントからが本当のバトル
インディ500は200周にもおよぶレースですが、真のレースは各車が給油とタイヤ交換を終え、残り30周を切ったところから始まります。
ここからは同一チームのドライバーでも前に行かせません。
コーション後の再スタートもしのぎを削るバトルが展開され、コーションがコーションを呼びます。
インディカーは誰が勝つか分からない熾烈なバトルです。
リードチェンジも頻繁です。
F1では終盤にくるとほぼ勝者が予測できますが、インディーでは誰が勝つか分からないスペクタクルが展開されます。
残り20周を切ってのマルチクラッシュも圧巻でした。
今年のインディ500を見てしまうとF1よりインディカーと思わざるを得ません。
佐藤琢磨は17位からトップへ
佐藤琢磨は65周目、一時ラップリーダーになります。
しかし、90周頃には17位まで順位を落としていました。
そこから、佐藤琢磨は一つずつ順位を上げていったのです。
104周で14位、111周で10位、118周で8位とあげていき、残り28周で4位、残り25周で5位を走行していました。
繰り返し出されるコーション後のリスタートが緊迫感を強めていきます。
ライアン・ハンターレイ、チャーリー・キンボール、フェルナンド・アロンソが終盤ホンダ・エンジンのブローでリタイアを喫し、佐藤琢磨のエンジンも心配でした。
琢磨の最大の見せ場は残り22周、3ワイドから2位を奪った走りです。
本当にしびれました。
そこからもマックス・チルトン、エリオ・カストロネベスとのバトルを繰り返し、残り5周でトップにたちます。
エリオのアタックも熾烈を極めていきます。
もう心臓がせり出しそうでした。
トップでゴールラインを通過した時の琢磨の雄叫びに涙が出ました。
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コメント
アロンソ参戦で注目されていた今年のインディ500。琢磨やりましたね~!! なのに日本のTVニュースではあまり話題にならず。くだらないバラエティ番組を放送する時間があるのなら、数分でもいいから今回の快挙を報道してほしいものです。
koicさん、ありがとうございます。
日本ではインディカーは認知度低いんでしょうか?
佐藤琢磨が2012年のインディ500で活躍してからずっと注目してます。
2013年にロングビーチで勝ったときもうれしかった。
インディカーはF1より面白い部分もたくさんあるので、今年からはもっと人気が上がるような気がしているのですが…