Photo by Tony Hisgett
1993年はアイルトン・セナがマクラーレンのマシンを最後にドライブした年です。
そのマシンは「マクラーレン MP4/8」。
マクラーレン最初のハイテクマシンであるものの、エンジンは非力と言われたフォードHBエンジンのために、エンジンがものを言うサーキットでは「ウィリアムズ・ルノーFW15C」を相手に苦しい戦いを強いられました。
その「マクラーレン MP4/8」がオークションに出されることになったというニュースを見ました。
参照 アイルトン・セナが最後にモナコを制したMP4/8Aがオークションに出品(F1-Gate.com)
「MP4/8」はセナが最後にモナコに勝ったマシンでもあります。
プロストのフライングやシューマッハのサスペンショントラブルが無ければモナコの勝利は難しかったでしょう。
しかし、現実にセナは「MP4/8」でモナコを制したのでした。
まさに神がかりなセナであり、そのセナを支えた名車が「MP4/8」だったのです。
マクラーレンが変わってしまったことを示しているのか?
「MP4/8」はロン・デニスが手放したマクラーレン株式の支払い担保になっていました。
ロン・デニスはマクラーレンの歴史を作ってきた名車ばかりを担保にしたと言われています。
そのマシンの一つが、オークションに出されるという事実は何を意味しているのでしょうか。
もちろん株式の金額は円滑に支払われたことは間違いありません。
さらに、1月にロン・デニスが盛大なパーティーを開いてマクラーレンに別れを告げたことは記憶に新しいです。
そうした流れから、今度の「MP4/8」のオークション出品を見てしまうと、ついにロン・デニスの時代は終わったという印象が深くなります。
ザク・ブラウンの時代がやって来たのです。
ただし、ザク・ブラウンのやったことと言えば、ホンダに別れを告げたことだけです。
まだ、マクラーレンの歴史を変えたとは言えません。
マクラーレンというチームが名門と言われるのはロン・デニスの実績です。
ザク・ブラウンは、これからどのような仕事を成し遂げていくのでしょうか?
マクラーレンの新しい時代が来たことは間違いないのでしょうが、それが輝かしいものなのか、暗澹たるものなのか、まだ分かっていないのです。
……
「マクラーレン MP4/8」については以下の記事も見て下さい。
アイルトン・セナは「MP4/8」で5勝をあげ、アラン・プロストに続いてランキング2位でシーズンを終えています。
© bluelady.jp
コメント
Linさん、おひさしぶりです。
私もセナの死からF1から冷めてしまいまして。
亡くなった時、ホンダのショールームにマシンが飾られ、記帳と献花をしました。
マクラーレン・ホンダ、本当にもう過去のものなんですね。
何年か前美術館で、セナの鈴鹿でのポールポジションのレースを、光で再現?みたいな作品が発表されてたかと思います。
もう、鈴鹿、ホンダ、セナ、何もかも遠い思い出です。
ジミーさん、ありがとうございます。
セナの展示会でもらったパンフとか、未だに持ってます。
ロン・デニスからザク・ブラウンに変わって、さらにフェルナンド・アロンソがホンダを追い出して、もうマクラーレンは違うチームになってしまったと嘆いてます。