Photo by Ryosuke Yagi MP4-30(グラファイトグレー)
2014年、1.6リッターV6ターボエンジンとエネルギー回生システムによるパワーユニットが導入されました。
その年以降、メルセデスのパワーユニットが圧倒的なパフォーマンスを誇り、他のパワーユニットでは勝利することが難しくなってしまいます。
マクラーレンは2014年メルセデスのパワーユニットを使いながらも未勝利に終わり、カスタマーとしてパワーユニットを使う限りは勝てないと判断。
2015年ホンダをF1に復帰させ、マクラーレン・ホンダとして新しいスタートを切りました。
ところが、ホンダのパワーユニットは非力であるばかりか信頼性も上がらず、さらにはデプロイメントの問題も浮上して、マクラーレンは過去最低の結果に終わってしまいます。
2016年、ホンダパワーユニットは信頼性、性能ともにステップアップしたものの、他社製のパワーユニットに遠くおよばず、いまだに表彰台にあがることも出来ません。
MP4-29(2014)
photo by Takayuki Suzuki
2014年のレギュレーションはあまりにも特異なノーズのマシンを生み出します。
「蟻食ノーズ」がトレンドとなり、過去最悪のスタイルを持ったF1マシンが出来上がります。
さらにパワーユニットの導入はエンジン音も小さく、F1らしからぬ迫力の無いシーズンになりました。
「MP4-29」は最強のメルセデスパワーユニット「PU106A Hybrid」を搭載しながらも、開幕戦のダブル表彰台が最高結果となり、未勝利に終わっています。
MP4-30(2015)
photo by Iwao
2015年、ホンダがカムバックしマクラーレン・ホンダが復活します。
ドライバー陣にはフェルナンド・アロンソが加わり、ジェンソン・バトンと共に最強のラインナップとなりました。
「MP4-30」は開幕当初シルバーとオレンジのカラーリングでメルセデス時代と変わらず、反感を持ちました。その後グラファイトグレーに変更されています。(冒頭の写真参照)
ホンダ製パワーユニット「RA615H」はサイズゼロコンセプトの元に小型化しすぎ、熱害とデプロイメント不足のため苦戦し続けます。
前半戦は完走することもままならず、後半戦も後ろを走る障害物にしかなりませんでした。
獲得ポイント27ポイントという最悪の年でランキング9位に終わっています。
MP4-31(2016)
photo by Andrew & Alan Frost
「MP4-31」がMP4シリーズ最後のマシンとなってしまいました。
エンジンはホンダ製パワーユニット「RA616H」を搭載。
前年から比べると格段の進歩を示し、常時Q3を狙えるところまでステップアップしています。
しかし、マクラーレン・ホンダとしては、まだまだの性能と言わざるをえません。
表彰台にも上がれず中段グループの一つとして走り続けるマクラーレンを見るのは忍びないです。(コンストラクターズ・ランキング:6位)
「MP4-30」からエイドリアン・ニューウェイの元で育ったピーター・プロドロモウがマシンデザインを担当していますが、パワーユニットが非力なせいで、優れたデザイナーなのかどうかも分かりません。
フェルナンド・アロンソが下位に沈むのも、もう見たくありません。
まとめ
ロン・デニスが実権を失ったマクラーレンでは改革が進められ、ついに「MP4」という名前がなくなってしまいます。
2013年の「MP4-28」から続くマクラーレンの不振は「MCL」でとめられるのでしょうか?
新しい体制がマクラーレンを再び勝利に導くことが出来るかは、ホンダのパワーユニットがメルセデスのパワーユニットと同等の性能を発揮できるかにかかっています。
2017年のホンダのパワーユニットは今までのものとは全く違い、再設計されたものです。
その新しいパワーユニット「RA617H」が信頼性を確保できるかが、まず最初の難関になるでしょう。
今年こそ1勝を上げてもらいたいと切に願っています。
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コメント
管理者Lin様が、取り上げられたテーマ
消滅「マクラーレンMP4」シリーズ①~⑪の最後⑪を拝見させて頂いております。
MP4-31がラストだったのですね。
ロンデニス氏のマクラーレン終焉となったF1マシン。
途中で気ずいたのですが、MP4/31では無く、MP4-31の表記に変わっていたんですね。
知らなかったです。笑、泣
MP4-29は、パワーユニット初年度はメルセデスだったのですね。
1990年代マクラーレン・ホンダ黄金期の再来を狙ってのジョイントだったが、再現ならず。
MP4シリーズ、ラストラン!
翌年から名称が変わったMCL32が、実質マクラーレンに搭載される最後のホンダパワーユニットRA617Hとなりました。アロンソとも永遠の別れ?
このRA617Hこそが、現在レッドブル、トロロッソに搭載のRA619Hの基礎ベースになったのですよね。
以前のRA615H、RA616Hとは全くの別物と見て取れますね。
サイズゼロを目指すには、最初から未熟で早過ぎた。
2019年、マクラーレン・ルノーが活躍(ルノーワークスを抜き、ランキング4位)
2020年も引き続きルノーパワーユニット搭載だが、この年で最後!
2021年から再びメルセデスパワーユニットを載せて更なる飛躍を目指す。
ホンダとは袂を分かち合って別々の道を歩んだが、いつの日かまた再び?
おはようございます。
1988年、マクラーレンMP4/4に搭載したホンダターボエンジンRA168Eは、前年までウィリアムズ、ロータスに搭載したRA167Eのクラッチ直径を小さくして、エンジン高さ、重心を低くしたローラインコンセプトに合わせたものですが、
パワーユニットRA615Hもゼロサイズコンセプトでスタートしましたが、性能と信頼性を重視するため、徐々に大きくなってしまいました。
が、エイドリアン・ニューイ氏設計RBシリーズにこそゼロサイズが必要なF1マシンです。
ニューイ氏は、サイドポンツーン自体も無くしたいほどの過激コンセプトで有名ですね。
来年マックスとRB16+RA620Hでタイトル獲得して、
2021年には、これまでと違うF1マシンになるので、
ホンダには
本当の究極のパワーユニットを目指して欲しいと思いますね。