Photo by ph-stop
2009年のF1はホンダが撤退した後のブラウンGPがチャンピオンシップを席捲した年です。
ブラウンGPは初参戦でチャンピオンとなる偉業を成し遂げました。
その年は選択制のKERS(運動エネルギー回生システム)や、オーバーテイクをしやすくするための空力規制等の過渡期にあり、特殊な1年でした。
そのためレギュレーションのグレーゾーンだったダブルディフューザーを最も突き詰めていたブラウンGPのマシン「BGP001」がアドバンテージを持つことが可能だったのです。
その利点を活かし、ジェンソン・バトンがシーズンの前半7戦中6勝をあげる好スタートをきり、そのまま逃げ切ってチャンピオンを決めてしまいました。
後半になるとセバスチャン・ベッテルが加わったレッドブルが急激な躍進を果たします。
その流れはレッドブルの黄金時代へ繋がっていくのでした。
MP4-24(2009)
photo by Jose Mª Izquierdo Galiot
「MP4-24」は「MP4-23」に比べてノーズが少し太くなっているのが分かります。
フロントウイングも複雑な形状となってきました。
このマシンにはKERSが搭載されていて、序盤は重量等のデメリットを解消するのに手こずっています。
この年、マクラーレンはルイス・ハミルトンによる第10戦ハンガリーGPと第14戦シンガポールGPの2勝しか出来ませんでした。
MP4-25(2010)
photo by cmonville
2010年、ジェンソン・バトンはマクラーレンに移籍しルイス・ハミルトンとコンビを組んでいます。
この年のマシン「MP4-25」はトレンドとなったシャークフィンを搭載しています。
他にもFダクトを採用して、独自の空力を追求したものとなっています。
2009年はフェラーリに移籍したアロンソとベッテルの争うシーズンとなり、「MP4-24」は19戦中5勝をあげたもののドライバー、コンストラクター共に1位となることは出来ませんでした。
この年ベッテルが初のワールド・チャンピオンとなっています。
MP4-26(2011)
photo by Nic Redhead
「MP4-26」は不格好だったシャークフィンが取り払われ、ノーマルな形になりました。
2011年からDRS(ドラッグ・リダクション・システム)が導入された影響がうかがえます。
フロントノーズが太めなのは「MP4-24」からの流れです。
「MP4-26」はトレンドとなったブロウンディフューザーも取り入れられました。
2011年はセバスチャン・ベッテルが19戦中11勝を上げ、圧倒的なパフォーマンスをみせてチャンピオンとなっています。
……
マクラーレンで注目すべきなのはジェンソン・バトンのパフォーマンスです。
19戦中12回表彰台に上がり(内3回優勝)、ドライバーズ・ポイントで2位に食い込んでいます。
ちなみにポイント順位は以下です。
- セバスチャン・ベッテル:392
- ジェンソン・バトン:270
- マーク・ウェバー:258
- フェルナンド・アロンソ:257
- ルイス・ハミルトン:227
この年のジェンソン・バトンはルイス・ハミルトンをも上まわっていました。
バトンは1回しかチャンピオンになれませんでしたが、もっと良いマシンに乗っていたら複数回のチャンピオンも可能だったと思います。
まとめ
2010年以降、エイドリアン・ニューウェイがデザインしたマシンとセバスチャン・ベッテルでレッドブルは最強チームとなっていきます。
ウイリアムズ、マクラーレン、レッドブルと、ニューウェイを擁するチームがF1の歴史を作っていくのをみると、いかに重要な人物であるかが分かります。
ニューウェイが引退したF1は今後誰が同じ立場になるのか、とても興味深いです。
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