松本零士のコミックは中学生から大学生の間、よく読んでいました。
その中には今でも心に残るものが多数あります。
その一つが「ミライザーバン」です。
ミライザーバン
ミライザーバン 【コミックセット】 image by Amazon
実はこのコミックのストーリーは読み返すまで、ほとんど思い出せませんでした。
コミックも手元になかったので「面白かった」という確信だけで、中古本を買って読みました。
……
「ミライザーバン」は「命の輪(時の輪)」をテーマにした作品です。
主人公はおなじみのメガネのキャラクター「井大半(ミライザーバン)」とキャプテン・ハーロックにも登場する「有紀螢」です。
両親の研究によって「井大半」は過去から未来の記憶を持つ超人となってしまいます。
「有紀螢」の実験によって無限大の未来は現在ということが分かってくるストーリーがあり、時間が輪のようになっていることが示されます。
遺伝子に潜み、永遠に終わることのない命(記憶)に疑問を感じ始めるミライザーバン。
エンディングでは時間は輪では無くて円のようなものということが分かり、未来は定められたものではないということを発見します。
そのことがミライザーバンの救いとなるのでした。
……
「ミライザーバン」には何度も繰り返していて不必要なエピソードや、ストーリーとしては矛盾するものもあります。
しかし、松本零士の信念でもある「夢は時間を裏切らない 時間も夢を裏切らない」という言葉をそのままストーリーにしたような代表作だと思います。
その意味では「銀河鉄道999」にもひけはとりません。
松本零士の作品としては比較的コンパクトにまとめられたものです(文庫で全2巻)。
しかし、時間というテーマは松本零士の作品のなかでは最も大きいものの一つです。
現在は電子版も無く、手に入りにくいですが、松本作品の中では絶対押さえておきたい作品です。
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