Photo by Mark Walker
私が毎週少年ジャンプを楽しみにしていた子供の頃、「サーキットの狼」というコミックが連載されていました。
作者は池沢さとしさんで、その昔、スーパーカーブームをつくったコミックです。
まだ中学生だったと記憶していますが、高校にあがると少年ジャンプから離れてしまって、最後まで読むことが出来ませんでした。
完結してずいぶん経ってから、全巻読む機会を得ました。
主人公「風吹裕矢」が、街道レーサーからF1レーサーに上り詰めるという物語ですが、舞台がサーキットに移りレーシングマシンを駆るようになってからはストーリーの魅力が半減したように感じました。
その「サーキットの狼」に続編があることを知り、一気に読んでしまいました。
サーキットの狼にはない魅力
サーキットの狼II モデナの剣(1) image by Amazon
「モデナの剣」は週間プレイボーイに連載されていました。
そのため、少年ジャンプ連載の「サーキットの狼」にはない魅力が追加されています。
主人公「剣・フェラーリ」は車だけでなく女性にも手が早いという設定になっています。
これによって、「サーキットの狼」との類似性が多いものの、飽きの来ないストーリーになっていました。
「サーキットの狼」は一歩一歩F1へステップアップしていくという予定調和が描かれています。しかし「モデナの剣」では、ある意味ちゃらんぽらんな主人公によってストーリーは変遷していきます。
さらに、レースで記憶まで失ってしまい、ストーリーの連続性までも切り捨ててしまうという大技を使っています。
これには感心させられました。
ストーリーに飽きてきたと感じ始めた矢先、いきなりリセットされたストーリーは生き生きとしたものに再生されてしまうのです。
池沢さとしさんの漫画家としての手腕を感じました。
2度目の大技はないでしょう
サーキットの狼II モデナの剣(25) image by Amazon
しかし、記憶喪失という大技によって面白さを増したストーリーにも関わらず、再度主人公が記憶を失ってしまいます。
これによって一気にストーリーの魅力が半減してしまいました。
幸いなことに、そのまま完結になだれこみ、読了後は全体を通して面白い作品という印象を維持することに成功しています。
「サーキットの狼」はどちらかというとロータス・ヨーロッパ、フェラーリ・ディーノ、ポルシェ・ターボといったスーパーカーに対する魅力に偏りすぎた感がありましたが、10年を経過して登場した続編はバランスのよい娯楽作品にリメイクされています。
「サーキットの狼」より格段に面白い作品に仕上がっていました。
全25巻です。
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一気に読めば面白さ倍増です。
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