時々、私のメールに平井作品に関するご質問を頂くことがある。
ヒライストと呼ばれるようなコアな平井ファンからではなく、
これから平井作品に触れようとするフレッシュな方たちからのご質問だ。
平井ファンが増えていることに喜びを感じることでもある。
先週ウルフガイシリーズに関する質問を頂いた。
シリーズ構成についてだ。
ウルフガイシリーズもたくさんあって、
どの作品から読めばいいのか戸惑っていらっしゃる方からだった。
今まで、新しい平井ファン向けにページを書いたことがないので、
今回はウルフガイシリーズの構成について触れることにした。
ウルフガイシリーズをあげてみると以下のようになる。
ウルフガイシリーズ
高校生の犬神明が主人公、アダルト・ウルフガイの犬神明は神明として登場(キャラクターは少し違う)。
1.狼の紋章
※ここまでが博徳学園を舞台に、次巻からは舞台を広げよりハードボイルドに展開する。
2.狼の怨歌
※初出誌には「狼のレクイエム」とルビがふられていたそうである。
3.狼のレクイエム 第1部(虎精の里) ※原題は狼のレクイエム 第1部
4.狼のレクイエム 第2部(ブーステッドマン)
※サブタイトルはハードカバー版から
ここまでが犬神明と青鹿晶子のストーリーをストレートに追うことが出来る。
5.狼のレクイエム 第3部「黄金の少女」(黄金の少女 第1巻)
6.狼のレクイエム 第3部「キンケイド署長」(黄金の少女 第2巻)
7.狼のレクイエム 第3部「パットン将軍」(黄金の少女 第3巻)
8.狼のレクイエム 第3部「タイガーウーマン」(黄金の少女 第4巻)
9.黄金の少女 第5巻
※狼のレクイエム 第3部はハードカバーで出版され、当初はタイガーウーマンで終了していた。SFアドベンチャーに連載された黄金の少女編の最終話が単行本になるまでにかなりの時間待たされることになった。徳間ノベルスで単行本化されたときには黄金の少女 Vol.5として出版されたのである。
ストーリー的には犬神明編へのインタルードである。
舞台をアメリカにかえ登場人物達はすべて仮名で現れることになる。
新キャラクター、キンケイド署長が登場しチェンバーズ(アメリカの田舎町)でのハルマゲドンの縮図が描かれることになった。
10.犬神明(第1巻~第10巻)
※ウルフガイシリーズの最終章として登場
アダルト・ウルフガイシリーズ
脳天気な狼男、ルポライター犬神明、ブルSSSにて颯爽と登場。
アダルトだけにウルフガイシリーズでの制約も取り払われている。
作品発表の時系列的にはこちらが先。「狼男だよ」が改竄事件にみまわれることになったのは有名なことである。
1.狼男だよ
2.狼のバラード(狼よ故郷を見よ)
※角川文庫版からのタイトルが()内
3.魔境の狼男(人狼地獄)
4.人狼戦線
5.狼は泣かず(人狼、暁に死す)
6.狼の世界
※アダルトウルフガイシリーズの世界を舞台にハチャハチャに展開された別巻
7.人狼白書(ウルフガイ不死の血脈、ウルフガイ凶霊の罠)
※初出人狼白書は角川文庫版から2冊に分冊された。
人狼白書出版当初、平井和正は神がかりになったとうわさされはじめる。
8.人狼天使 第1部(ウルフガイ イン ソドム)
9.人狼天使 第2部(ウルフガイ 摩天楼)
10.人狼天使 第3部(ウルフガイ 魔界天使)
11.若き狼の肖像
※学生ルポライター、若き日の犬神明を描いた快作。
その他
短編として以下の作品に犬神明が登場する。
1.悪徳学園
※同題の短編集に掲載
2.女狼リツコ(女狼リツコ)
※「魔女の標的」「黄金の少女 第5巻」に掲載
以上。
今は(2000年当時)ハルキ文庫でアダルト・ウルフガイシリーズが「ウルフガイ 魔界天使」まで刊行されたので、こちらが一気に楽しめます。
その他に月光魔術團 ウルフガイDNAという「ウルフガイ」がタイトルに付いた作品があるのだが、あくまで「月光魔術團」の流れをくむ作品として、ウルフガイシリーズとは無関係と位置づけたい。
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