「男大空」は「男組」の後、週刊少年サンデーに連載されました。
おそらく「男組」は人気があったのに終わってしまったのでしょう。
そのため同じような作品に後を任せるしかなかったと思われます。
どちらも好きな作品です。
しかし、読後感は「男大空」の方が優っています。
男大空
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「男大空」は「男組」は兄弟のような作品です。
父を殺された祭兄弟たちの鬼堂家への復讐からストーリーは始まります。
しかし、主人公が兄弟を全て失ってからは、復讐から解き放たれ、社会を変えていく夢を追っています。
姉妹作品とはいえ、終始「影の総理」との対立が描かれた「男組」とは違って、夢のあるストーリーになっています。
「男組」については以下。
……
主人公「祭俵太」と「流全次郎」はどちらも拳法を使います。
「祭俵太」はケンカ殺方から神骨拳法の使い手になります。(神骨拳法は骨法からアイディアを得た創作拳法と思われます。)
「流全次郎」は太極拳の達人です。
「祭俵太」の敵役は「鬼堂凱」。「流全次郎」の敵役は「神竜剛次」。
どちらも容姿が似通っています。
……
「男大空」は「男組」より新しい作品だけあって、池上遼一の絵柄は安定しています。
池上遼一の最も魅力ある時期だと思います。
「男組」はまだ絵柄が完成していなかった感じがします。
……
「男大空」を読んでいて、今回新しい発見もありました。
たくさんの暗黒拳の使い手が「鬼堂凱」の師となった「氷水」のところへシルクロード各地から呼び寄せられたという下りがあります。
しかし、暗黒拳の使い手は「兆一」「兆二」「黒龍」のみしか登場しませんでした。
ひょっとすると連載を縮められたのでしょうか?
そのことで少し違和感があったものの、「男大空」きちんと最終回まで描かれています。
敵役の「鬼堂凱」は最後には改心しています。
その完結がさわかやかな読後感をもたらし、「男組」よりも印象深い作品なりました。
池上遼一作品では最も読んで欲しい作品です。
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