学生時代に夢中で読んだのが大藪春彦の小説です。
中でも「伊達邦彦」が登場するシリーズは、当時出版されていた全ての小説を読みました。
「伊達邦彦」は処女作「野獣死すべし」に初登場します。
最初は、大藪春彦の得意とする自分の野望のためには手段を選ばないカルトヒーローでしたが、晩年は諜報活動員になるなど、徐々に「007」並みのヒーローに育っていきました。
私が伊達邦彦のストーリーを追っていた当時は、発表作品が角川文庫や徳間文庫、新潮文庫に分かれていました。
「血の来訪者」などは伊達邦彦が登場するストーリーかどうかはタイトルだけでは分かりませんでした。
今では「伊達邦彦シリーズ」として光文社文庫としてまとめられたため、伊達邦彦の登場する小説は一目で分かるようになっています。
「伊達邦彦」は「伊達邦彦シリーズ」以外にも、「小島恵美子」をヒロインとする「女豹シリーズ」にも登場しています。
このページでは「伊達邦彦シリーズ」をピックアップしておきます。
野獣死すべし
伊達邦彦が初めて登場した小説が「野獣死すべし」です。
この小説は大藪春彦の処女作としても知られ、氏の最高傑作と言っても過言ではありません。
この本には「野獣死すべし」「野獣死すべし 復讐篇」「野獣死すべし 渡米篇」の3つの中編作品が収録されています。
血の来訪者
私が最初に読んだのは新潮文庫でした。
大藪春彦の得意とする徒手空拳の若者が巨大な企業の乗っ取りを企てるストーリーになっています。
諜報局破壊班員
諜報局破壊班員―伊達邦彦地球を駆ける image by Amazon
伊達邦彦がいきなり諜報局員になって驚いた作品です。
娯楽性は超一級品で、「007」にも負けない伊達邦彦の活躍を堪能することが出来ます。
日銀ダイヤ作戦
この「日銀ダイヤ作戦」は前作から続く諜報活動ものです。
CIAやマフィアが入り乱れる超娯楽大作になっています。
優雅なる野獣
伊達邦彦の中編小説を集めたもの。
「日銀ダイヤ作戦」の原型となった「汚れた宝石」を含めて5編が収録されています。
不屈の野獣
伊達邦彦の中編集。
収録作品は「狂気の征服者」「謀略の果て」「スパイ狩り」の3編。
マンハッタン核作戦
この小説も英国秘密諜報部に属していたころの伊達邦彦が描かれています。
野獣は甦える
「マンハッタン核作戦」までを一気に読んだ私ですが、「野獣は甦える」が書かれたことは長い間知りませんでした。
読んだのも比較的最近のことです。
野獣は、死なず
伊達邦彦シリーズの最後となる作品。
1995年に光文社カッパノベルスから刊行されています。
しかし、この作品もながらく発表を知りませんでした。
「マンハッタン核作戦」を読んだ熱狂は時間の経過と共に損なわれて行ってしまいました。
「アスファルトの虎」が大藪作品では最後に買った小説だったのだと思います。
「野獣は死なず」は伊達邦彦全集で初めて知ることになりました。
1996年、大藪春彦が亡くなった後のことでした。
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