Photo by Hunter Desportes
デヴィッド・ボウイの初めての公式ライブアルバムが「デヴィッド・ボウイ・ライブ(DAVID LIVE)」です。
1974年7月、フィラデルフィア・タワーシアターでの「ダイヤモンド・ドッグズ・ツアー」の模様を収録しています。
当時のデヴィッド・ボウイは薬物に侵され、やせ細り、声もかすれ気味です。
ジギー・スターダストの頃の声とは明らかに違っていました。
さらに、この公演のライブ・アルバム収録はメンバーに知らされておらず、金銭トラブルに発展します。
そうした現実とデヴィッド・ボウイのソウルへの傾倒をまざまざと記録したのが、このアルバムです。
私がはじめてこのアルバムを聴いたときは、ジギー・スターダストとのイメージのギャップが理解できませんでした。
しかし、1974年8月から「ヤング・アメリカンズ」の収録が開始されるという事実を知って、このライブ・アルバムの特殊な状況が胸落ちしたのでした。
参加アーティストは以下のようになっています。
- Earl Slick:Guitar
- Herbie Flowers:Bass
- Gui Andrisano:Vocal Backings
- Warren Peace:Vocal Backings
- Michael Kamen:Electric Piano,Moog,Oboe
- Tony Newman:Drums
- Pablo Rpsario:Percussion
- David Sanborn:Alto Sax,Flute
- Richard Grando:Baritone Sax,Flute
- Mike Garson:piano,Mellotron
すでに、ミック・ロンソンとは袂を分かち、アール・スリック、マイク・ガーソンらが参加しています。
加えて、デヴィッド・サンボーンが参加していることに驚かされます。
このアルバムも「Stage」と同様に、トニー・ヴィスコンティの手によるリイシュー盤が発売されています。
デヴィッド・ボウイ・ライブ(1990年再発盤)
1974年にリリースされたオリジナルのアナログ盤「DAVID LIVE」に3曲のボーナストラックを追加して再発されたのが、「デヴィッド・ボウイ・ライブ」です。
収録曲は以下。
CD1
- 1984
- Rebel Rebel
- Moonage Daydream
- Sweet Thing
- Changes
- Suffragette City
- Aladdin Sane
- All The Young Dudes
- Cracked Actor
- Rock ‘n’ Roll With Me
- Watch That Man
CD2
- Knock On Wood
- Diamond Dogs
- Big Brother
- Width Of A Circle
- Jean Genie
- Rock ‘n” Roll Suicide
ボーナス・トラック
- Band Intro
- Here Today, Gone Tomorrow
- Time
私はオリジナル盤のジャケットを見たことがありません。
CD盤のジャケットの写真は裏ジャケットに使われていたという記録がありますので、表面がどのようになっていたのか興味がつきません。
ネット上でサーチしてもはっきりしませんでした。
それに、このジャケットの写真は左右反転して使われているはずで、人物を左右反転してジャケットに使うことに驚きを隠せません。
DAVID LIVE(2006年リイシュー盤)
「DAVID LIVE」の日本版はCCCDだったために輸入盤を購入しました。
せっかく音が良くなってもCCCDでは意味ないと思っていました。
1990年のものより明らかに音がシャープに立ち上がっています。
デビッド・ボウイの声は薬物の影響でかすれていますが、逆にソリッドな感じを際立たせています。しかもソウルフルに聞こえます。
このような声のボウイのアルバムは他に「ヤング・アメリカンズ」しかありません。
どちらかと言えば「DAVID LIVE」の方がプラスチック・ソウル期のボウイをリアルに再現しているように思います。
収録は以下の完全版になっています。
CD1
- 1984
- Rebel Rebel
- Moonage Daydream
- Sweet Thing
- Changes
- Suffragette City
- Aladdin Sane
- All The Young Dudes
- Cracked Actor
- Rock ‘n’ Roll With Me
- Watch That Man
CD2
- Knock On Wood
- Here Today Gone Tomorrow
- Space Oddity
- Diamond Dogs
- Panic In Detroit
- Big Brother
- Time
- The Width Of A Circle
- The Jean Genie
- Rock ‘N’ Roll Suicide
このアルバムの楽曲構成は最高のラインナップになっています。
それらがソウルフルにアレンジされ特別な輝きを放っています。
このアルバムとあわせて「Live Santa Monica ’72」や「Bowie At The Beeb」あたりを聴いてみると、このアルバムの貴重さが分かってきます。
Live Santa Monica 72 image by Amazon
1968-72-Bowie at the Beeb: Limited Edition image by Amazon
© bluelady.jp
www.bluelady.jp – Recommended
Bowie at the Beeb [12 inch Analog]
2月26日に「Bowie at the Beeb」はアナログ盤BOXセットが発売されます。
未発表の「The Supermen」を収録しています。
Stage
リイシュー盤のステージも最高です。
※Amazonにリンクします。
コメント
今朝、聴いていたところでした。
「DAVID BOWIE,My Best」を編集しようと色々と聴き返しています。このサイトも参照にさせてもらってます。
「DAVID LIVE」は薬物の影響からか声が出てなかったりと、リリース当初からあまり評判が良くなかった記憶があります。でも今となっては、プラスティックソウル期の入り口といった感じで結構いいのではと。特に「スイサイド」のアレンジは強烈でした。
Bowie はソウル好きですね。「アラジンセイン」を聴き返して見ると、何気にプラスティックソウルの萌芽が感じられます。ソウルなBowie が大好きです。
たこべいさん
ありがとうございます。
「DAVID BOWIE,My Best」面白そうですね。
私もこの試みをやってみようと思って、ボウイに関連したドメイン名をとったのですが、ブログを分けてやるべきか、このブログでやるべきか迷っていたところです。
もう一つカテゴリをつけてこのブログでやってみようかな?
このブログはアルバムの発表順で体系づけられていないので、何とか見やすくしたいと思っているのです。
それもあって、アルバム順のベストがやってみたいです。
「DAVID LIVE」は最初はあまり好きではなかったはずなんですが、この記事を書くために、聴き直したら強烈なインパクトがありました。
ものすごくいいんです。
あまり聴かなくなったボウイのアルバムも再度聴いてみるとすごいかもしれませんね。
たこべいさんのベストが出来たら教えて下さいね。