photo by Colin Dunn
ちょうど1年前(2014年5月)に「真幻魔大戦 イメージアルバム」が復刻されているのを知り、懐かしいのでCDを購入しました。
片付けをしていたら、そのCDが出てきたので当時の状況を懐かしんでみたいと思います。
このアルバムのオリジナルが発売された当時、私はたぶん新入社員で頑張っていた頃ではないかと思います。
寮生活で音楽を聴くのも不自由する環境でしたから、ラジカセぐらいしか持っていませんでした。
そのため、このアルバムはカセットを購入した記憶があります。
収録曲は以下
- ビッグ・プロローグ
- サイボーグ戦士ベガ
- サデスティック・サイキック・タイガー
- ムーンライト・セレナーデ
- スーパーバロック・プリンセス
- 太陽の戦士
- ベアトリスの釵
- ビック・インタルード
このイメージアルバムのオリジナルが発売されたのは1984年のことです。
(アイルトン・セナ、デビューの年でもあります)
真幻魔大戦 イメージアルバム発売当時・1984年の状況
このCDのライナーノーツには真幻魔大戦は500万部以上売れて、なお継続中とあります。(1984年のものを復刻したライナー)
このアルバムの発売は1984年3月ですので、真幻魔大戦12巻「超空間での誕生」が発売されたばかりです。(年内に13巻「犬の帝国」発売)
最高潮となった幻魔世界はこのまま完結へむかってひた走るものと思えたのでした。
しかし、この年、真幻魔大戦・幻魔大戦の両シリーズは終結を迎え(実際には途中で置き去りにされて)、ウルフガイの帰還のお祭り騒ぎに突入することになります。
その年発売されたSFアドベンチャー増刊の内容を追うことで、その流れが見えてきます。
SFアドベンチャー増刊 平井和正の幻魔宇宙Ⅲ
1984年4月発行の「平井和正の幻魔宇宙Ⅲ」には以下の平井作品が掲載されています。
- 真幻魔大戦 第3部「堕天使との邂逅」600枚
- シナリオノベル ハルマゲドンの少女 第2部「異次元彷徨」300枚
- 高橋留美子の優しい世界 「めぞん一刻」考 200枚
そしてこの増刊の特別インタビューでウルフガイ・犬神明の帰還が告知されます。
同時に高橋留美子さんの特別書き下ろしイラスト「ウルフガイ・虎4」が掲載。
ウルフガイ帰還の女神様は高橋留美子さんというわけです。
突然のウルフガイの帰還宣言は同時に幻魔世界の中断宣言でもありました。
(真幻魔大戦イメージアルバムのプロデューサー・難波弘之氏のインタビューも巻末に掲載されています。)
SFアドベンチャー増刊 平井和正の幻魔宇宙Ⅳ
1984年10月発行された「平井和正の幻魔宇宙Ⅳ」は、それまで発行された「平井和正の幻魔宇宙」のどれよりも分厚い316ページにもおよびます。
掲載された平井作品は以下。
- 真幻魔大戦 第3部「禁断の洞窟基地」600枚
- シナリオノベル ハルマゲドンの少女 第3部「ビッグアップル壊滅」600枚
- ウルフガイシリーズ 狼のレクイエム 第3部「黄金の少女」(導入部のみ)
- あとがき小説・人狼幻視行「ビューティフル・ドリーマー」200枚
※高橋佳子さんとの出会いからウルフガイ再登場までのプライベート・ノベル
この幻魔宇宙の発行によって、ハルマゲドンの少女は完結。真幻魔大戦は第一期の完結が宣言されてしまいました。
真幻魔大戦の世界は拡がり尽くし、まったく収束されていない状況で投げ出されてしまったのです。
参考:SFアドベンチャー増刊 平井和正の幻魔宇宙
既刊の「平井和正の幻魔宇宙」掲載の平井作品は以下の通りです。
平井和正の幻魔宇宙(1982年10月発行)
- 真幻魔大戦 第3部スタート「破滅世界のクロノス」500枚
平井和正の幻魔宇宙Ⅱ(1983年10月発行)
- 真幻魔大戦 第3部「犬の帝国」400枚
- シナリオノベル ハルマゲドンの少女 第1部 300枚
期待を裏切った「黄金の少女」1984年はヒライスト漂流元年
「ウルフガイの帰還=犬神明の帰還」と思い込んでいたのですが、「黄金の少女」には、まったく犬神明の登場はなく、私の期待は裏切られた形になりました。
この思いを同じくした読者は私だけでは無いはずです。
1984年以降、モヤモヤを抱えながらも平井和正の作品に期待し続ける日々でした。
ヒライストはどこへ向かえばいいのか?
期待が満たされることはあるのか?
以前の様に胸を熱くする作品を求めて漂流することになったのでした。
(その後、私の場合はボヘミアンガラス・ストリートやABDUCTIONシリーズによって渇望が満たされることに…)
ボヘミアンガラス・ストリート 第1部 発熱少年(Amazon)
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