しげの秀一ではマイナーな作品の一つ「将(ショウ)」を読みました。
私はこの作品が大好きです。
発表は1992年ですので「バリバリ伝説」と「頭文字<イニシャル>D」の間に位置する作品です。
両方のメジャータイトルの間で、たった3巻で終了してしまったのは何故なのでしょうか?
このあたりを検証できればと思います。
将(ショウ)
将〔ショウ〕(1) (週刊少年マガジンコミックス) image by Amazon
前述したように「将(ショウ)」という作品は「バリバリ伝説」でバイクレースを描ききった後の作品です。
しげの秀一はレースものの次のジャンルを模索していたようで「バリバリ伝説」後には、この「将(ショウ)」や陸上部青春ものの「DO-P-KAN」が続きます。
「将(ショウ)」は超能力ものといったらいいでしょうか?
格闘技と超能力をミックスしたような作品です。
空手やボクシングや剣道をベースに超能力を載せて、謎の組織あるいは、平井和正的に言えば「超能力のヒトラー」と言った存在に立ち向かうといった内容です。
ただし、途中で打ち切りになってしまったようで、最終3巻の最後のページは、いかにもとってつけたような台詞がついていました。
そのため、敵がどのような存在なのかは描き切れていません。
敵の組織は1999年に世界を終わらせることを目的にした集団ということだけは分かったのですが…
……
実は私は平井和正の影響からか、このような超能力ものに目がなく、しげの秀一の「将(ショウ)」を知ったのは数年前でありながら、5、6回は読んでいます。
「将(ショウ)」は森羅万象全てのものからパワーを集めることができる特殊な能力者のようです。(描き切れていないので想像です)
その能力は神に近いものなのかもしれません。
しかし、敵の中心となっている存在も特別な能力を持っていることが示唆されています。
これから、その組織との戦いが本格化していくかと思っていたのですが、突然の終了となってしまいました。
「幻魔大戦」よりももっと無理矢理に終わらせています。
……
この面白い作品がなぜ、強制終了となってしまったのでしょうか?
それは時代背景にも影響されたと思っています。
平井和正が「幻魔大戦」によって一躍ハルマゲドンブームを起こしたのは1979年〜1984年ぐらいまで(1984年にウルフガイが帰還しているので)。
その後「ハルマゲドン」が1987年に刊行されているので、それくらいまでは超能力ブームだったと考えていいでしょう。
平井和正がウルフガイシリーズに注力し始めたとき、世の中ではとんでもない事件が多発するようになります。それがオウム真理教の事件です。
オウム真理教は1988年から1995年まで、数々の事件を起こしています。
ちょうど、その時期にしげの秀一の「将(ショウ)」は発表されたのでした。
この状況下では3巻での討ち死にもやむなかったのかもしれません。
もし、1980年代に「将(ショウ)」が連載されていれば、しげの秀一の代表作になったかもしれないと思うのです。
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