デヴィッド・ボウイが本当に凄いと思うのは「ネバー・レット・ミー・ダウン」みたいな大衆に迎合したようなアルバムを作った後に、ティン・マシーンをやってしまうことです。
「ティン・マシーン(Tin Machine)」は私のお気に入りのアルバムのひとつ。
このシンプルなロックがたまりません。
ティン・マシーン(Tin Machine)
まるでギャングのようなスーツを身にまとい、ひげ面のボウイがカッコよすぎる。
このアルバムは1988年の中頃からリーヴス・ガブレルスと進めてきたプロジェクトの集大成です。
イギー・ポップの「ラスト・フォー・ライフ」に参加したセールズ兄弟をベースとドラマーに加え、シンプルなロックバンドが出来上がりました。
しかし、ガブレルスのうねるようなギターが無ければティン・マシーンのサウンドは成立しないでしょう。
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面白いのは、1988年という時期です。
グランジが産声を上げる頃と一致します。
ソニック・ユースの「デイドリーム・ネイション」が発表された年でもあります。
ニルヴァーナの結成が1987年、「ブリーチ」が1989年、「ネヴァーマインド」が1991年です。
グランジがブレイクする前にデヴィッド・ボウイはティン・マシーンの活動を開始するわけです。
このあたりの嗅覚はさすがにデヴィッド・ボウイと言えるでしょう。
グラス・スパイダース・ツアーのような娯楽活動を行ったあとにソリッドなロックにたち返るのですから、ファンは驚いたことでしょう。
逆に喜んだでしょうか?
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とまれ、リーヴス・ガブレルスのギター無くして語れないバンドですが、そのギターはグランジとはほど遠い代物であることは明かです。
グランジにもなれず、ヘビーメタルというにはボウイがスタイリッシュすぎるといった中途半端な感じが否めません。
しかし、この活動を通してリハビリを行ったボウイはアーティストとして復活します。
それはもう少し先の話です。
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以下のティン・マシーンを俯瞰した記事もどうぞ。
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