photo by amika_san
日経新聞が2月10日と11日連続で、ホンダのF1復帰を取り上げた。
3月13日のオーストラリア(アルバート・パークサーキット)での開幕戦を目前に日本のモータースポーツ界が盛り上がりを見せ始めた。
しかし、ホンダのF1復帰は2年前に既に決定済みで、昨年2014年は下位チームでの小林可夢偉の低迷ぶりを見ながら、2015年マクラーレン・ホンダ復活のことばかり考えていた。
1年の猶予は吉と出るか凶と出るか
ホンダは2年前に2015年マクラーレンとの参戦を発表。
F1のレギュレーションは2014年大きく変わり、エンジンは1.6リッターだが、2種類のエネルギー回生(MGU-HとMGU-K ※Hは熱エネルギー、Kは運動エネルギー。Kは昔のKERSみたいなもの)システムを組み合わせ、パワーユニットと呼ばれるものが心臓部だ。
要するにハイブリッドパワーとなったため、パワーユニットは複雑化した。2014年は駆動系がブレーキバランスを変化させたり(MGU-Kのせいだと思う)、ブレーキトラブルが頻発した。
小林可夢偉が初戦でマッサに突っ込んだのもブレーキトラブル。(原因が分かるまでマッサは怒り心頭だったが…)
そうした波瀾のシーズンをマクラーレンは最強のメルセデスエンジンをつんで戦った。
その1年の猶予はホンダにとってマクラーレンからの情報を得ながらエンジン開発に当てられる絶好の機会だったはずだ。
当然ホンダのパワーユニットはメルセデスに似たものと言われているが、私としてはそれ以上の革新的な技術を詰め込んだメルセデスを越えるパワーユニットを期待している。
ホンダにトークンが与えられないというニュースに愕然とした
パワーユニットは全てのコンポーネントを開発するのに66のトークンというウエイトが必要となる。
昨シーズン参戦したメルセデス・ルノー・フェラーリは2014年ユニットから2015年ユニットへの開発に32のトークンが与えられるのだが、開発エンジンの凍結日時がレギュレーションで決まっていなかったために、2015年シーズンを通しての開発が可能になった。
しかし、新規参入のホンダにはこのトークンが与えられず、なおかつエンジン凍結の期日も決まっている。
そんなニュースが2014年末に飛び込んできた。
完全な日本人いじめだ。やはりF1はヨーロッパのものかと私は嘆いた。
マクラーレン、ホンダの交渉とバーニー・エクレストンの口利きがあって各エンジンマニュファクチャラーが開幕時に残したトークンの平均が与えられることになったのは1月になってからだ。
メルセデスはホンダにトークンが与えられることが決まる前は、開幕では多くのトークンを残し、シーズン中でのアップデートを予定していた。しかし、ホンダにトークンが与えられることが決まって、トークンを使い切る戦略に切り替えた。
王者がおそれるほどホンダは驚異のポテンシャルを秘めているのだと思いたい。
ルノーは昨シーズンパワーユニットが劣っていたので、ほとんどのトークンを使っているらしい。フェラーリはある程度残す戦略だ。ホンダに幾つのトークンが与えられるかはふたを開けてみないと分からない。
周回できない悔しさ
昨年11月のアブダビテストでついにマクラーレン・ホンダが登場した。しかし、2日のテストで5周しか走れていない。
2014年の開発期間はどうなったんだと絶叫したくなった。
そして先日の4日間のへレステストである。好調に周回を重ねていくメルセデス、最速のフェラーリとこの2チームはかなり2015年に期待できる。
しかし、ホンダはまたもや最低の周回数であり、タイムも7秒近く遅いものだ。
これで大丈夫なのだろうか?
来週19日から4日間のバルセロナテストを固唾をのんで見守るしかない。
理想のドライバーラインナップ
昨年シリー・シーズンとなってフェルナンド・アロンソの行き先が注目の的となった。
しかし、ベッテルがレッドブルを離脱した時点でフェルナンド・アロンソの行き先がマクラーレンであることは暗黙の了解事項だった。問題はセカンドドライバーだったのだ。
私は経験の多さ、ホンダとの仕事の長さ(道端ジェシカとの結婚)で絶対ジェンソン・バトンと祈ったが、若いケビン・マグヌッセンも有望だった。レースでは経験不足でポカをやることもあったが、安定感のジェンソンに比べると何か期待させるものを持っている。
だが、マクラーレン・ホンダの参戦当初のドライバーは経験がものを言うのだ。
いくら優れた素質のあるマシンも実際に走らせてドライバーのフィードバックがなければ完成度を上げられない。
その点でフェルナンド・アロンソとジェンソン・バトンとのドライバーラインナップはベストであると断言できる。
感情に流されてケビン・マグヌッセンを選んでしまうのではないかと心配したが、ロン・デニスも大人だった。
2015年は1勝を目標、2016年のF1支配を期待する
いくらマクラーレン・ホンダびいきでも全く新しいパワーユニットで何勝もできると思うほど、甘くはない。今年もメルセデスは強いだろう。だが、マクラーレン・ホンダは復活した。黄金のセナ・プロ時代、1988年のような圧勝を2016年以降に期待したい。
1点注文付けるとすると車のカラーリングについてだ。シルバーカラーはメルセデスっぽいので変更して欲しい。
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