photo by Joe McGowan
11月29日、ヤス・マリーナ・サーキットでアブダビGP決勝が開催されました。
アブダビGPはF1唯一のトワイライト・レース(夕方から日没後にかけてのレース)です。
ポールはニコ・ロズベルグで、メルセデスの強さは変わりません。
期待されたベッテルは予選を失敗。
後方からのスタートで、どこまでリカバー出来るかが見所のレースでした。
ニコ・ロズベルグ3戦連続のポール・トゥ・ウイン
レースの結果はニコ・ロズベルグのポール・トゥ・ウインとなっています。
ロズベルグはメキシコGPから3戦連続でポール・トゥ・ウインを飾っています。
ハミルトンがUSGPでチャンピオンを決定した次のレースからの3戦連続になります。
少し作為的な感じもします。
チャンピオンが決まった後なので、ハミルトンも力を出さなかったのか、チームがニコ・ロズベルグに力を入れたからなのか、どちらかを疑ってしまいます。
メルセデスのドライバー管理
メルセデスはハミルトンとロズベルグを平等に扱うことを標榜しています。
そのため、2人の戦略はまったく同じになります。
今回のレースで問題だったのはハミルトンが1ストップ戦略をとりたがったことです。
ハミルトンはリスクを冒してでもロズベルグに勝ってシーズンを締めくくりたかったのです。
また、エンジン・モードも両者を同じモードにするチーム無線が飛んでいます。
このようなチーム管理によって2人のドライバーは統制されています。
ハミルトンはロズベルグより燃費に優しいことが知られていますし、2人のドライビングスタイルも異なります。
見る側(私たち観戦者)にすると、もっと戦わせて欲しいと思ってしまいます。
セナ・プロのような緊張感があると、メルセデス1強という状況でも、ずっと面白くなるのではないかと想像します。
レッドブルでもベッテルとウエーバーはかなり緊張した関係に映りました。
2台でクラッシュしてしまったことや、ベッテルがチームオーダーを無視したこともあります。
セナ・プロに比べれば、まだまだでしたが…
2016年はメルセデスも、もう少しドライバーのコントロールを緩めてくれるとF1が盛り上がるかもしれません。
ライコネンの3位表彰台とベッテルの4位リカバリー
フェラーリはライコネンが3番手から、ベッテルが15番手からスタートしています。
この状況でベッテルが、どこまでリカバー出来るかが注目されました。
ライコネンはスーパーソフトでスタート、ベッテルはソフトでスタートし戦略が別れる中、2人が前後して周回を重ね、チームオーダーで順位を入れ替える場面も見られました。
フェラーリは上手く戦略を機能させ、ベッテルを4位でフィニッシュさせています。
今年のライコネンはベッテルの影で活躍がかすみましたが、来年はもっと頑張ってもらいたいと思います。
マクラーレンホンダのレース
アロンソのクラッシュ
レーススタート早々、パストール・マルドナドとアロンソがクラッシュしたという報に、「またマルドナドか?」と怒りがこみ上げました。
しかし、ペナルティーを科せられたのはアロンソの方でした。
まさかと思っていましたが、アロンソも被害者だったのです。
フェリペ・ナッサーに追突されコントロールを失ったのが、事の真相でした。
参照 不公平な裁定に口をとがらせるアロンソ(ESPN F1)
そのような状況でペナルティーポイントまでもらっては、アロンソの怒りももっともなことです。
バトンのクラッシュ
バトンもあわやという場面が見られました。
9周目、ピットに入ったバトンとピットから出ようとするウイリアムズのボッタスが交錯したのです。
これについては、ウイリアムズのアンセーフ・リリースで、ボッタスにペナルティーが科せられています。
終盤、46周目でバトンはフェルスタッペンとバトルを繰り広げていました。
ロズベルグに周回遅れにされ、フェルスタッペンにパスされてしまいましたが、見応えのある展開でした。
(フェルスタッペンはこのバトルでペナルティーポイントと20秒タイム加算となっています。)
レースはジェンソン・バトン:12位、フェルナンド・アロンソ:17位で終えています。
マクラーレン・ホンダの2015年シーズン
マクラーレン・ホンダはシーズンを通して、信頼性に悩まされ続け、サイズゼロ・コンセプトのマシンは回生パワーも十分ではありませんでした。
日本の技術力もレース経験とレギュレーションを突破することが出来なかったのです。
パーツの半分を2016年型のマシンで挑んだアブダビでポジティブな面もありました。
参照 フェルナンド・アロンソ 「アブダビではマシンの半分が2016年用パーツ」(F1-Gate.com)
パワーユニットを改善した来年こそは、ホンダの力を見せつける活躍を見せてくれるはずです。
まとめ
2015年シーズンはメルセデスの圧勝でした。
この状況は1988年のマクラーレン・ホンダと比肩するものがあります。
ドライバーは、いいマシンを手にしたハミルトンの強さが目立ちました。
驚きだったのはベッテルの活躍です。
アロンソが抜けたフェラーリがここまで回復するとは思いませでした。
やはり、ベッテルは偉大なドライバーだということを見せつけてくれました。
来年こそはマクラーレン・ホンダのV字回復とアロンソの活躍に期待をかけます。
絶対に出来るはずです。
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