「ベスト・オブ・ボウイ」ページのコメント欄でaladdindogsさんにデヴィッド・ボウイのアルバムの日本語タイトルを書き込んでいただきました。
ちょっと面白そうだったので、気になった日本語曲名をピックアップしてみます。
日本語のタイトルはスケアリー・モンスターズ以降はほとんどなくなりますので、スペイス・オディティからロジャーまでのアルバムを数回に分けて、記事にする予定です。
Space Oddity/スペイス・オディティ
Unwashed And Somewhat Slightly Dazed/幻惑された魂
この曲のタイトルを直訳すると「汚く、少し茫然としている」というようなものになるんです。
歌詞も難解で、このカッコいいタイトルを思いつくのは大変だったんじゃないかと思います。
Letter To Hermione/ヘルミオーネへの手紙
この曲はそのまんまなのです。
「Unwashed And Somewhat Slightly Dazed」に比べると歌詞も本当に分かりやすいです。
日本のフォークソングのように、破局したヘルミオーネへの思いを綴っています。
The Man Who Sold The World/世界を売った男
The Width Of A Circle/円軌道の幅
この曲は人格の分裂のことをテーマにしています。
自分の怪物的な側面と思われる詩が書かれています。
この歌詞から何故このようなタイトルがついたのか?
謎めいた曲です。
The Man Who Sold The World/世界を売った男
「The Width Of A Circle」の後を引き継ぐように、この曲も人格の分裂をテーマにしています。
ある階段でドッペルゲンガーと出会ってしまったというような曲ですね。
その片方の人格が「世界を売った男」だったというわけです。
簡単に言ってしまうと、そのようなことなのですが、詩が短く背景に何が隠されているのか分かりづらい曲です。
Hunky Dory/ハンキー・ドリー
Eight Line Poem/8行詩
この曲の詩は8行しかありません。
タイトルは単純なのですが、とても美しい曲ですし、日本語タイトルにするとイカしてます。
Life On Mars?/火星の生活
この曲はフランク・シナトラの「マイ・ウエイ」のパロディであることが知られています。
しかし、私などは「Life On Mars?」の方が数段上と感じてしまいます。
この英語のタイトルには「?」がついているのですが、日本語のタイトルには「?」がついていません。
そのことがずっと気になっていて、ピックアップせざるを得ませんでした。
Quicksand/流砂
この日本語タイトルは最高にイカしてます。
オカルティストのアレイスター・クロウリーやガルボ、チャーチル、ヒムラーといった著名人の名前を登場させながら、人間社会に哲学的な考察を試みた曲です。
「I’m sinking in the quicksand of my thought,And I ain’t got the power anymore」の詩が人間の無力さを嘆くようで、痛切な悲哀を感じます。
The Rise And Fall Of Ziggy Stardust And The Spiders From Mars/ジギー・スターダスト
Moonage Daydream/月世界の白昼夢
宗教やSFやスラングがごちゃ混ぜになった難解な歌詞ですが、ミック・ロンソンのギターが最高の曲。
デヴィッド・ボウイの曲の中でも5指に入ります。
タイトルは英語も日本語もイカしているのですが、詞の内容はよく分かりません。
Hang On To Yourself/君の意志のままに
歌詞の内容や「Hang On To」の意味(しがみつく)から考えて、何故「君の意志のままに」になるのか、分からないタイトル。
男女間をエロティックに、フィジカルに、かなり投げやりに歌っているように思えるのですが…決して女性の意志のままにという感じではありません。
Ziggy Stardust/屈折する星屑
タイトルはカッコいいんですが、ジギーを「星屑」と言ってしまってはいけないように思います。
ジギーは行きすぎはあるかもしれませんが救世主なんですよね?
カッコいいけど当てはまらない。意味が分からないけどカッコいい。…そんなタイトルだと思います。
……
英語の曲を捉えるのはとても難しいですね。
日本語のタイトルをつけるのも大変だと思います。
タイトルの意味がよく分からないものも多いような気がします。
皆さんはどう思われますでしょうか?
© bluelady.jp
コメント
linさん、おはようございます。
ロックの詩に多いですが、ボウイの詩も解りにくく、意味不明の場合が多いですね。
詩の裏に本当の意味が隠されていたり。
翻訳されたボウイ詩集もかなり意訳されていますが、それでもちんぷんかんぷんなものが多いですね。
以前から「火星の生活」は明らかな誤訳で「火星に生命はあるのか?」だと指摘されています。
ロック界では、ジョン・レノン、マーク・ボランの詩が高く評価されています。勿論、ルー・リードも偉大な詩人の一人です。
そう言えばボランもリードもディランもユダヤ系なんです。ユダヤ人って迫害されて来た暗い過去もありますが、天才が多いですね。
aladdindogsさん、「火星の生活」の話をありがとうございます。
書き込んでいただいて思い出しました。
ボウイはルー・リードの影響を受けていると言われていました。
ルー・リードの詩をしっかり読み込んだことがないので、これからは読んでみようかと思います。
この記事はあと2ページほど続ける予定ですので、また、よろしくお願いします。
こんにちは。外国語の和訳、特に歌詞や文学は難しいですね。ボウイの代表曲、『ジギー スターダスト』の和訳は私もしっくりきません。これはジギーというキャラの名前なので、直訳は無理がある感じでしょうか?スターダストはドリーミー、ロマンティック、センチメンタルな感じ、という意味もあります。もしかしたら屈折したロマンチシズムみたいな意味を含ませてつけた名前だと勝手に解釈しています。
『Unwashed And Somewhat Slightly Dazed』は洗練されていない恋愛のちょっとボーッとした感じですかね。適切な日本語思いつかないです。10代の若い恋愛、シュールリアリズムな歌詞それにフォーク調のメロディーと妙な組み合わせが魅力だと思います。ボウイの詩は奥が深いので掘り下げると面白いですね。
hanaさん、ありがとうございます。
ボウイの詩は和訳を読んだだけでは分かりづらいです。
もっと色々な解説書を読んでおけばよかったと思っているのですが、本に書いてあることを鵜呑みにするのもいやで、複雑な気持ちです。
的外れな記事もアップするかもしれませんが、フォローをお願いします。
和訳面白いですねー
自分が衝撃的だったのは、ヒーローズツアー来日でNHKヤングミュージックでの字幕の和訳が意訳たっぷりでとほほだったのと
昔のCDのashes to ashesの最後のラインが「トム少佐をいいかげんに扱ってはいけませんよ」と逆の意味に訳していてびっくりでした*\(^o^)/*
Jさん、ありがとうございます。
私は今までボウイの歌詞をあまり重視してませんでした。
今回、和訳を読みながら、あまりの難解さに頭をかかえてしまいました。
でも、そんなところがまた面白いんだとおもいます。
曲にもよりますがアメリカ人のボウイファンの友人によるとネイティヴでもボウイの歌詞は意味不明な箇所が多いらしいです。
コックニーのスラングとかもたくさん勉強しないといけないかもしれません。。
Jさん、ありがとうございます。
やっぱり難しいんですね。
う〜む。どうしましょう。