平井和正の「死霊狩り(ゾンビー・ハンター)」が角川文庫版の表紙で電子書籍として復活します。
平井和正の作品としては珍しく、きれいに完結した作品です。
さらに「人類ダメ小説」の傑作。
何度読んだかしれないほどです。
死霊狩り(ゾンビー・ハンター)
死霊狩り (1) (角川文庫) image by Amazon
死霊狩り (2) (角川文庫) image by Amazon
死霊狩り (3) (角川文庫) image by Amazon
「死霊狩り(ゾンビー・ハンター)」は全3巻。
最初はハヤカワ文庫で「死霊狩り(ゾンビー・ハンター)」の1巻だけが発売されていました。
その後、角川文庫に移籍して2巻、3巻が発表され、完結作品となっています。
アスペクトノベルス版やハルキ文庫版も発売されましたが、やっぱり角川文庫版の表紙が最高です。
……
この作品をはじめて読んだ時の衝撃は忘れることが出来ません。
「死霊狩り(ゾンビー・ハンター)」は3巻というコンパクトにまとまった作品だったので、エンディングの余韻がいつまでも残っています。
読んだのはウルフガイの方が先だったのですが、そちらは「まだ次は出ないのか」という気持ちの方が強かったです。
それゆえに、「死霊狩り(ゾンビー・ハンター)」は、平井作品の中で特別な作品です。
……
その「死霊狩り(ゾンビー・ハンター)」が、生賴範義さんの表紙で、電子版として発売されることを知って、久しぶりに角川文庫の全3巻を引っ張り出してみました。
昭和50年代の本なので、経年で色が変わっています。
第1巻には森優さんの解説が、第2巻と3巻には平井さんのあとがきが収録されていました。
懐かしかったのは第3巻のあとがき「“人類ダメ小説”の終わり」です。
「死霊狩り(ゾンビー・ハンター)」三部作を書き終え、「人類ダメ小説」の終焉が宣言されています。
そして「死霊狩り(ゾンビー・ハンター)」こそ、今後書くべき「浄化の時代」の物語の序曲に過ぎないと位置づけられていたのです。
いうまでもなく「浄化の時代」の物語とは「幻魔大戦」や後期の「アダルト・ウルフガイ」のことでしょう。
この「死霊狩り(ゾンビー・ハンター)」までの作品群とそれ以降の作品群とでは読後感が大きく異なるはずです。
それは、平井和正の作品が「浄化の時代」のものへと変化したからだったのです。
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