photo by Stuart Seeger
すでにホンダのパワーユニット「RA615H」が空力メリットを活かす「サイズ・ゼロ」パッケージの中核であることが分かってきました。
過去記事でも、そのレイアウト構造については記していますが、今回は「別冊宝島 ホンダとセナ」から得た情報と雑誌自体のおもしろさを紹介したいと思います。
このページには「RA615H」の諸元が記載されていますが、パワーユニットの構造自体に興味がある方は以下のページをご参照下さい。
RA615Hの意味
ホンダのエンジンの伝統的型番が「RAシリーズ」であることは知っていましたが、アルファベットと数字それぞれの意味については詳しくありませんでした。(ファン失格と言われそうですが…)
この点「別冊宝島 ホンダとセナ」に記載されていました。
- R(Race):レース
- A(Automobile):四輪
- 6:6気筒
- 15:2015年
- H(Hybrid)ハイブリッド
かつてのF1エンジンには末尾にEngine(エンジン)を意味する「E」が付いていた。
出典:「別冊宝島 ホンダとセナ」宝島社 P11
ホンダのエンジンで有名なのは1988年16戦中15勝をあげた「RA168E」(マクラーレン・ホンダ MP4/4)とV12サウンドの1992年「RA122E」(マクラーレン・ホンダ MP4/7A)だと思います。
「RA122E」については上記のルールで説明できますが、「RA168E」は同じルールではないようですね?
その回答も「別冊宝島 ホンダとセナ」にありました。
- R(Race):レース
- A(Automobile):四輪
- 1:F1の1
- 6:6気筒
- 8:1988年
- E(Engine):エンジン
出典:「別冊宝島 ホンダとセナ」宝島社 P11
ホンダレーシングの歴史についてはHONDA公式サイトに詳しく紹介されています。
とっても興味深い歴史なので、そちらもご参照下さい。
参考サイト:「Honda Racing Gallery : ホンダレーシング 情熱と英知の結晶」
RA615Hの諸元
この本でさらに興味深いのはホンダ・パワーユニット「RA615H」の諸元が記載されていたことです。
出典は「ホンダ公式HP」になっていましたが、私は見つけられませんでした。
以下に諸元表を転載しておきます。
型式 Honda RA615H 最小重量 145kg パワーユニット
コンポーネントエンジン MGU-K MGU-H エネルギー貯蔵装置 ターボチャージャー コントロールユニット ●エンジン
排気量 1.6L 気筒数 6気筒 バンク角 90度 バルブ数 24 最大回転数 15,000rpm 最大燃料流量 100kg/時(10,500rpm) 燃料搭載量 100kg 燃料噴射方式 直噴(1シリンダーあたり1噴射器、最大500bar) 過給器 同軸単段コンプレッサー、タービン 燃料 エクソンモービル製ハイパフォーマンス無鉛燃料(5.75%はバイオ燃料) 潤滑油 モービル1 エンジンオイル ●エネルギー回生システム
機構 モーター・ジェネレーター・ユニットによるハイブリッド・エネルギー回生。MGU-Kはクランクシャフトに、MGU-Hはターボチャージャーに接続 エネルギー
貯蔵装置リチウムイオンバッテリー(20〜25kg) 1周あたり最大4MJを貯蔵 MGU-K 最大回転数:50,000rpm 最大出力:120kW 最大回生量:1周あたり2MJ MGU-H 最大回転数:125,000rpm 最大出力:無制限 最大回生量:無制限 最大エネルギー放出量:無制限 出典:「別冊宝島 ホンダとセナ」宝島社 P11
このように11ページにはホンダ・エンジンファンには興味深い内容が掲載されていました。
表に書かれた情報だけでも、パワーユニットのコンポーネント、レギュレーションの対応やスリムなパッケージングがうかがえます。
これだけでも、この本を買って良かったと思ったのですが、以上の内容は11ページの上段のみに過ぎません。
前半は2015年ホンダ復帰の全情報網羅
本の前半は今年のマクラーレン・ホンダを占う上で重要な情報が満載です。
- マクラーレン・ホンダ MP4-30の性能
- ドライバー陣のクローズアップ
- ホンダとマクラーレンの関係
- 本田宗一郎さんのこと
- レギュレーション対応
- ドライバーリスト
- 全サーキットガイド
- トップ4チームの概要
- 佐藤琢磨インタビュー
- 1988年のプレイバック
等、列挙しただけでF1ファンは本屋さんに直行したくなったはず。
アイルトン・セナ特集がこの本の主題
また、タイトルで分かるようにホンダとセナの関係を網羅した永久保存版です。
以下がこの本のすごいとこ。
1.写真が豊富
特筆すべきは、セナの幼少の時代から1992年マンセルと名勝負を繰り広げたモナコまで、たくさんの写真が掲載されています。
私が最も印象深かった写真は、1991年ブラジルGP表彰台の写真です。
セナは1991年が地元GPでの初優勝になりました。
左手がきかなくなったセナは右手1本で高々と優勝トロフィーを掲げます。その写真は感涙ものです。
2.インタビュー掲載が多数
F1に携わったおなじみの顔ぶれが総登場してます。(※文章量は均一ではありません)
- 片山右京
- 今宮純
- 中島悟
- 森脇基泰
- 三宅正治
- 川井一仁
セナを超えるカリスマはもう2度と登場しないという認識を新たにしました。
もっとはやく買っておけば…
既に3月6日に発売になっていたようなので、もっと早く買っとけば良かったと後悔しました。
前半の内容は4戦を消化した今となっては、楽観的過ぎるかもしれませんが、3月時点の予備知識としては最高だったでしょう。
後半は本当に永久保存版です。
何度も読み返したいと思います。
F1ファンにとってはマストだと思います。おすすめです。
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