さて、日本語曲名のピックアップ、第2弾です。
今回はカバーアルバムの「ピンナップス」も入れておきます。
前回の記事は以下を参照してください。
Aladdin Sane/アラジン・セイン
Cracked Actor/気のふれた男優
この日本語タイトルは前から気になっていました。
「羽目を外した男優」ぐらいの感じではないのかな?…といつも思っていました。
日本語の歌詞からは「気のふれた」とは言えそうにありません。
モヤモヤするので、日本語のタイトルはいらないと思うのです。
Lady Grinning Soul/薄笑いの淑女
淑女は薄笑いではなくて「微笑」するほうがいいのではないかと思ってしまいます。
このタイトルはホラー映画のようで、しっくりきません。
曲がとても美しいので、タイトルがそぐわないように思います。
Pin Ups/ピンナップス
Friday On My Mind/我が心の金曜日
「Friday On My Mind」を我が心の金曜日と訳されてしまうと、いったいどんな金曜日なんだ?…と疑問に思えます。
あまりにも大げさすぎるタイトルです。
歌詞からは「明日は休みだから金曜日は羽目をはずそう」というような内容だと思うのですが…
※オーストラリアのグループ「イージービーツ」の1966年の曲。
Sorrow/愛の悲しみ
このアルバムでもっとも美しい曲です。
この日本語タイトルはしっくりきます。
アルバムからは唯一シングルカットされた曲で、B面は「アムステルダム」でした。
※リヴァプール出身のデュオ、マージーズの1966年の曲。
Diamond Dogs/ダイヤモンドの犬
Rebel Rebel/愛しき反抗
このタイトルは、よくもつけたと思える素晴らしい日本語タイトルです。
単純に「反逆者」と言わないのがいいですね。
性別判別不能の文化や当時の若者たちに対する一種の愛情も表現されているようなタイトルです。
Chant Of The Ever Circling Skeletal Family/永遠に周り続ける骸骨家族の歌
この曲は「Big Brother」から続くエンディング曲です。
ただの呪文のような曲なのですが、日本語に直訳したようなタイトルには驚かされます。
Young Americans/ヤング・アメリカンズ
Win/愛の勝利
単純に「Win」をよくある日本語タイトルにしてしまったようです。
この曲の歌詞を読んでも分かりにくいのですが「愛の勝利」というイメージは全くありません。
歌詞では「勝てばそれでいい」というような投げやりな感じの方が強いです。
Somebody Up There Likes Me/幸運の神
この英語タイトルでなぜ「幸運の神」となるのか、さっぱり分からないタイトル。
デヴィッド・バックレーの著書「全曲解説シリーズ デヴィッド・ボウイ」によると、この曲は「腐敗したメディアのパワーを鋭く指摘している」らしいのですが、ライナーの日本語訳からはそのような意味合いはとても感じられません。
日本語タイトルもどこか間違っているように思えてしまう不思議なタイトルです。
……
以上、4枚のアルバムから気になる日本語タイトルをピックアップしました。
最高なのは「Rebel Rebel/愛しき反抗」で、最悪なのは「Chant Of The Ever Circling Skeletal Family/永遠に周り続ける骸骨家族の歌」ですかね。
「永遠に周り続ける骸骨家族の歌」は「ダイヤモンドの犬」の世界観を一発で表現しようとした結果でしょうか?
そう考えると、面白くもあります。
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コメント
Linさん、こんばんは。愛しき反抗は良い題ですね。レベルレベルとカタカナ表記だと雰囲気が伝わりませんし。既に紹介されていると思いますが、流砂は小説風のタイトルで雰囲気抜群だと思います。火星の生活は批判も多いですが、かと言って他の邦題でベターなものがあるかというとそれも疑問ありです。ここはカタカナの方がよいのかなど、邦題というのは悩ましいものですね。
さむたいらさん、書き込みありがとうございます。
すこしボウイのページはスローになっていきます。
ビーチ・ボーイズのベスト100を読みました。
これは投票の形式なんですね。
私が100曲順番に選び出すのはやはり無理な感じがします。
Linさん、こんばんは。
今から43年前、グラムの全盛期にジャケ写と「考察への陶酔」と言うタイトルにつられて購入したシングル盤に針を落とした瞬間のガッカリ感は凄いものでしたよ。
今では、ソロデビュー前の貴重な曲として聴けますが、なにせ「スペイス・オディティ」「スターマン」「ジーン・ジニー」を聴いた後ですから。
aladdindogs さん、「考察への陶酔」をご存じとはすごいです。
私は資料をあさってやっと見つけました。
「Can’t Help Thinking About Me」のことだったんですね。
そのガッカリ感、分かるような気がします。