このところ立て続けに平井和正の電子書籍が発売されています。
今度は「地球樹の女神」の登場です。
しかもイラストはカドカワノベルズ当時の山田章博です。
この「地球樹の女神」は改竄騒動も巻き起こった曰く付きの作品です。
そのためカドカワノベルズで完結することはかないませんでした。
地球樹の女神という小説
「地球樹の女神」は平井和正が中学2年の時、大学ノートにしたためた処女長篇SF小説「消えたX」を発展させた作品です。
カドカワノベルズ、徳間書店、アスペクトノベルスと舞台を変えて出版されました。
カドカワノベルズで6巻、徳間書店はハードカバーで13巻、アスペクトノベルスで6巻発売された後に「地球樹の女神 -最終版-」として電子書籍がe文庫からCDで発売されています。
e文庫 『地球樹の女神-最終版-』 平井和正 image by Amazon
「幻魔大戦」復活の契機となった「その日の午後、砲台山で」が、このCDに収録されています。
……
完結しているのは徳間書店のハードカバーとCDのみ。
カドカワノベルズは「狼男だよ」から20年目で起こった改竄事件のため、アスペクトノベルスは経営悪化のため、どちらも7巻目が発売されることはありませんでした。
地球樹の女神〈1〉真昼の魔女 (ASPECT NOVELS) image by Amazon
全13巻で完結した徳間書店のハードカバー版は、当時「平井和正初の完結作品」として話題になりました。
別れの「ファンシー」 (地球樹の女神) image by Amazon
「幻魔大戦」にしても未完のまま。
「ゾンビーハンター」や「サイボーグ・ブルース」等の3巻以下の作品をのぞけば、初めての完結作品が現れたことで、平井和正も完結作品が書けるということを世間に知らしめたのでした。
……
以上見てきたように、様々な話題をまといながら世に出たのが「地球樹の女神」です。
しかし、私はこの作品は少々地味な作品のような気がしています。
「幻魔大戦」と同じハルマゲドン小説でありながら「四騎忍」と「後藤由紀子」との恋愛ストーリーであるかのような印象が、そう思わせるのでしょうか?
※地球樹の女神はカドカワノベルズの発売当初から「ラスト・ハルマゲドン・ストーリー」と銘打たれていました。
平井和正初の完結作品「地球樹の女神」のイラスト
記念すべき完結作品として世に出た「地球樹の女神」には残念なことがあります。
それはカバーイラストが山田章博から泉谷あゆみに変わってしまったことでしょう。
わが母の教えたまいし歌 (地球樹の女神) image by Amazon
泉谷あゆみの山田章博の絵柄に似せようとする努力がしのばれるものの、山田のイラストのシンプルさやかわいさが欠けてしまっています。
山田章博で最後まで完結して欲しかった。
……
今回発売された電子書籍は山田章博のイラストでスタートを切りました。
しかし、このシリーズも途中から泉谷あゆみのイラストに変わってしまうのではないでしょうか?
できれば「地球樹の女神 -決定版-」として全巻山田章博のイラストで出版して欲しいものです。
……
以下、ラインナップです。(発売時に追加予定)
地球樹の女神1 真昼の魔女
地球樹の女神1 真昼の魔女
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以下続刊
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