Photo by Takayuki Suzuki
10月25日、オースチン(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ:全周56周)でUS GPが開催されました。
予選が決勝当日にずれ込んで、雨のためにQ3が中止となるというコンディションで決勝の開催も危ぶまれました。
しかし、レースは今期最高に興奮するレースで、優勝したメルセデスのルイス・ハミルトンがワールド・チャンピオンを獲得しました。
エンジンペナルティー多数
ロシアGPにおいて、既に全ドライバーのエンジンが4基目以上となりましたので、US GPのグリッドペナルティーが4人になっています。
参照:全ドライバーのエンジンが4基目以上に(ESPN F1)
チャンピオンシップ2位のベッテルもグリッドペナルティーとなったのが残念です。
以下がペナルティーを受けたドライバーの出走順位になります。
- ベッテル:13番手
- ボッタス:16番手
- ライコネン:18番手
- スティーブンス:19番手
結果、11番手だったアロンソは9番手スタートの好位置につけることになりました。
雨はやんだが、ぬれた路面の決勝が数多くのバトルを演出
決勝スタート時点で雨はやんでいたものの、コースはウェット状態。
全車インターミディエイトタイヤでスタートします。
そのため、メルセデスのパワーが抑えられ、いつもの様に独走態勢になりません。
メルセデス・パワーがもう少し抑えられればレースが面白くなるということの証明です。
各所でバトルがあり、2度のVSCと2度のセーフティーカーが導入されました。
その度にトップのギャップが消え去り、誰が優勝するか分からない展開に。
トップ争いはハミルトン、クビアト、リカルド、ロズベルグがめまぐるしく入れ替わります。
また、エンジンペナルティーを受け13番手発進のベッテルはいち早くミディアムタイヤに履き替え、優勝も見えた時間帯がありました。
非力なマクラーレン・ホンダ勢もポイント券内を走行し、ダブルポイントも期待できました。
惜しかったのはアロンソがスタート直後の1コーナーでマッサのスピンに巻き込まれてしまったことです。
周回数が20周を数えた頃、路面が乾き始め、タイヤをスリックに履き替えたメルセデスが強さを発揮し始めます。
しかし、路面の不安定さによって、コースアウトも続出。
今季で最も白熱した展開になりました。
あまりにもたくさんバトルがあったので、もう書き切れません。
最初の見所は1コーナー:ロズベルグ vs ハミルトン
フロントロウからスタートしたポールのロズベルグは日本GPと同様、1コーナーでハミルトンに押し出され、4位に後退します。
今回は軽い接触を伴っていました。
最近のロズベルグは予選でのスピードが改善されているだけに惜しいスタートが続いています。
チャンピオンもコンストラクターズも決まったので、今度はハミルトンにぶつけるぐらいの意気を見せて欲しいと思います。(来年のためにも、ぶつけちゃった方がいいと思う)
勝敗を決めたのはロズベルグのミス
大事なところでミスするのが、ロズベルグらしいと言えなくもないですが…
トップ走行していたロズベルグは48周目に痛恨のオーバーラン。
ハミルトンがパスし、そのままゴールへ。
チャンピオン・決定となりました。
新エンジンを投入したフェラーリ・ベッテルはグリッド・ペナルティで13番手発進ながらも3位に食い込む検討を見せています。
セーフティーカーがなければベッテルの優勝もあった戦いでした。
荒れたレースにめっぽう強いジェンソン・バトン
今回のレースで、渋く目立っていたのがバトンです。
スタート直後のマッサのスピンを交わしたバトンは、8番手にポジションアップ。
その後、雨の路面からドライへの変わり目を読み切り、スリックにタイヤ交換。
20周頃には最速タイムで走っていました。
さらに最後のセーフティーカーが出たタイミングでフレッシュタイヤに交換し、見事に7位フィニッシュを飾っています。
6位のサインツはピットレーンの速度超過によって5秒加算となり、最終的にバトンは6位入賞を果たしています。
アロンソの方は終盤、トラブルによって一時的にパワーを失い、ダブル入賞のチャンスを逃してしまいました。残念。
スペック4のエンジンについては少し悲観的なアロンソでした。
参照:フェルナンド・アロンソ、ホンダの改善は「0.1秒だけ」(F1-Gate.com)
とにかくバトルが多いレースだったので、見ていない方は見逃し配信を見ましょう。
じっくり2時間観戦しても時間がもったいないということはありません。
今季のベストレースでした。
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